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大我くんとお試しお付き合いを始めてから約２週間、一緒に登下校したりする以外は今までと特に変わってない。お昼は相変わらずサエと優吾くんと一緒だし、修学旅行の話し合いとかもあるし。
ただ、
「白石さんって京本くんと付き合ってるの？」
「あ、うん」
「えー！本当だったんだ」
他のクラスの女の子だったり先輩だったり、大我くんが一緒に居ない時にこうやって関係性を聞かれることが増えた。大抵は質問されて答えたら終わりだけど中には“釣り合ってない”とか“別れたら教えてね”みたいに言う人も居て、ちょっとだけ嫌な思いもする。
「釣り合ってないなんて、自分が１番思ってるよ」
こうなる未来は簡単に予想出来てたし、いざ言われたら“ああ、やっぱり？”って思ってしまう。その度に私は少しずつ大我くんの隣に居ることに自信を無くしてしまう。
「A…京本くんには言ってないの？」
「うん。大我くんに言っても女の子たちの気持ちは何も変わらないでしょ」
「それはそうだけど」
「ほら、早く更衣室行こ。体育の先生怖いし遅れたくない」
あからさまな嫌がらせをされないだけマシかな、なんて嫌味に慣れつつある自分が嫌だ。
「はあ、」
「でっかいため息。そんなに体育疲れた？」
「それもあるけど…優吾くんは体育終わりなのにイキイキしてるね」
「俺は運動好きだからね」
チャイムが鳴っても教科担当の先生が来ないから優吾くんと雑談するのも変わらない。変わったと言えば帰りに大我くんの“ずるい攻撃”が来るくらい。
「あ、わかった。また誰かに大我のこと言われたんでしょ。そんなに落ち込むなら大我に言えばいいのに」
「…大我くんに言っても変わらないもん」
「そうかな？少なくとも心の負担は軽くなると思うけど」
前に先輩に呼び出されて困っていたところを優吾くんに助けてもらったから私の悩みを知っている。
知らないのは大我くんだけ。
教科担当の先生が来て授業が始まったけど集中しきれない。ちょっと遠い斜め前の大我くんの横顔をチラ見しては小さくため息をつく。いつからか習慣化された私の行動を優吾くんは放っておいてはくれないらしく毎日のように同じ会話を繰り返している。
「はあ…」
「幸せ逃げるぞー」
「もう逃げてるかも」
「こら、高地と白石私語しない」
「「すみません」」
「高地がこの問題解けたら許してやろう」
「え！？俺？」
「紳士な男はモテるぞ、高地」
「それとこれとは別じゃないですか！」
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
