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もうすぐ梅雨入りということもあってか湿度が高くて気持ちのいい朝とは言えない季節になってきた。
「あれ、京本？」
「おはよー北斗」
え、俺出てくる時間間違えた？って思ったけどホームの時計はいつもと変わらない時刻を差していた。ちょうどよく来た電車に乗り込んで並んで座る。
「なに、高地が止めたと思ったら京本が白石さんに会う為に早く登校すんの？」
「そうだよ」
「ふーん……ん？え？本当に？」
決してからかってやろうとか思ったわけじゃなく、まあ少しだけ思ったけど。やけに素直に認める京本に拍子抜けしてしまう。
「Aと駅で待ち合わせしてんの。早い時間なら人も少ないしね」
「一緒に登校する為に？」
「そう。あ、俺今日から帰りもAと帰るから樹たちとは帰れないよって言っておいて」
「…帰りもって付き合ってるみたいじゃん」
まさかね？だって、ついこの間白石さんと話したばかりで、高地もやっと本気になって…
「昨日告白した」
「え！？」
「お試し期間だけど付き合ってる」
「はあ！？え、だって白石さん、」
「ああ、北斗もAと仲良しだから知ってた？Aは高地も好きだって」
「ええと、まあ、うん」
「それでもいいからって押し通しちゃった。俺だけを好きにさせてみせるって宣戦布告した」
なんだか白石さんも大変な奴に好かれたみたいで。というか本当にそれは合意のもとなのだろうか。
「ねえ京本、ちゃんと白石さんは了承してるんだよね？お試しでも京本と付き合うって」
「そうだって言ってるじゃん。だから行きも帰りもちゃんと約束してるし」
「高地は知ってるの？」
「知らない。今日会って話そうと思う」
「そっか…まあ、おめでとう？」
「ありがとう！」
ニコニコ笑顔の京本に気付かれないようにため息をつく。学校の最寄り駅に着けばホームには白石さんの姿。ああ、現実なんだなってやっと理解した。
「A！おはよう」
「おはよう。松村くんも一緒だったんだね」
「この我が儘坊っちゃんに聞いたけど本当に京本と付き合うの？後悔しない？」
「ちょっと北斗！」
「だって白石さん優しいから断れなかっただけってこともあるかなって」
「もう北斗は俺に失礼すぎ！もう行こ、北斗なんて知らない」
「わっ、ちょっと大我くん！」
白石さんの手を取って京本はずんずん歩いていく。本当に大丈夫かな、と心配になるがさすがに彼女の嫌がることはしないだろう。
◇◇
最近きょもが私の中でぐんぐん来ております。可愛いと格好いいの両立している彼は最高です。
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作者名：いか | 作成日時：2023年5月20日 19時
