8.あいつの練習室 ページ9
🦊Side
練習室に入って電気をつければ
正面は鏡、他3方はまばらに紙が貼られていてそこには文字が。
韓国歴も事務所所属歴も早5年が経とうとしていてもまだハングルが覚えていられないのか、日本語を忘れないためなのか、文字はひらがなと漢字ばかり。
何ならハングルはないかもしれない。
🐱「前より壁に貼ってる紙増えたね。」
🦊「そうだな。」
前にユトから聞いたけれど書いてある趣旨は
テントやら寝袋やら着替えやらの日常品が整頓して置いてあるところは、
その日のタイムスケジュールや食べたもの、何時間寝たか、その日の感想などが書いてある「毎日の日記」
逆の入って右側の壁に小さな付箋達で走り書きのような最低限読める文字で書いてあるのは
練習中に閃いたフレーズや、本人の趣味である読書や絵描きで降りてきたフレーズを書き留めている「歌詞帳」
そして特に沢山ある鏡映しに見えるスケッチブックのページを破いて太いペンで書いてあるものは
ボーカルやラップ、ダンスの練習で課題だったり気をつけるべきところを分かりやすく書いている「注意書」
こう見ると、本当にユトの努力が伝わってくる。
直接見たわけじゃないのに、何故だか今ここに彼が居て歌い踊っている姿が見える。
歌もラップもダンスも完璧に熟しながら、「いや、もっとこうだ」「もっと上手くならないと」って追い込んでいるユトが見える。
🐱「……手帳買えば良いのに。」
🦊「今度会う時のプレゼントで買ってやるか。」
🐱「えぇ〜‼僕の案でしょ!」
🦊「別に手帳買うとか言ってない。」
🐱「この話の流れ的に買うって感じでしょ!とにかく、僕がユトに手帳買ってあげるんだからね!」
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作者名:ゆにっと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/
作成日時:2024年2月10日 11時