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翌朝、マネージャーの車に乗って俺と北山は会見が行われる会場に向かった。
「藤ヶ谷、これが原稿。こんな感じの事を話してくれたらいいから」
そう言われて渡された原稿に目を通す。ざっくりと書かれている原稿を自分の言葉に変えて咀嚼する。
「俺は何すんの？」
「藤ヶ谷の会見が終わったら、二人で告知って昨日も言っただろ」
呑気な質問にマネージャーが呆れたように答えていて、前と変わらない雰囲気の車内が何だか居心地が良かった。
それから会場に着いて、俺達はスーツに着替えて、控え室にスタンバイしてる。鼓動が、耳のすぐ近くで聞こえるくらい緊張していた。
「藤ヶ谷、大丈夫だから堂々としてろ」
そう言いながら北山に肩を叩かれても、やっぱり緊張が解れない。こんなんで、ちゃんと話せるのか不安になった時だった。
「太輔、大丈夫だよ。皆喜んでくれる」
すぐ横で声がして、目線を向けると優しい顔をしたワタルが立っていた。俺は胸に手を当てて深呼吸をした。少しだけ、緊張が解けた気がした。
「藤ヶ谷さん、スタンバイお願いします！」
「…はい！」
スタッフに呼ばれて控え室を後にして、会場のドアの前に立つ。ドアを開けて一歩中に踏み入れると目が眩む程の眩しいシャッター。パシャパシャとシャッターを切る音が部屋中に響いてる。俺はゆっくりと真ん中へと歩いた。
「この度は僕の復帰会見の為にご足労頂き、本当にありがとうございます」
「一ヶ月程前、僕は体調不良の為、無期限活動休止を発表していましたが、しっかり休んで体調も回復しました。なので本日より復帰、活動再開致します」
止む事を知らないシャッター。一ヶ月振りに向けられたシャッターの光は眩しくて目が痛かった。
「なんで休んでいたんですか？」
「引退するなんて噂も出ていましたが、本当にもう大丈夫なんですか？」
「本当はズル休みだったなんて事はありませんか？」
次から次へと浴びせられる質問。心無い言葉にズキズキと胸が痛い。
嘘の病名はすぐにバレてしまうから、何も言うなと言われていた。引退なんてしない。俺は最期まで此処に立つと決めたから。ワタルのおかげで大丈夫にはなったけど、それは一時的なもので、完治したなんて嘘っぱち。ズル休みなんかじゃない。余命まで宣告されて、それでも戻りたかった場所だから。
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琥珀 - はい！！絶対に読みます！！ってゆうか、読んでます(笑) (2015年5月6日 23時) (
レス) id: 81fa3df666 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 琥珀さん» コメント、ありがとうございます！楽しみにしてくださって、本当に嬉しいです。頑張りますので、引き続き読んでくださったら嬉しいです！ (2015年5月6日 15時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 頑張ってください！！続き、楽しみにしてます！！ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 652e9fb3ab (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 海樹さん» 此方にもコメントありがとうございます！凄く励みになります。ゆっくりになるとは思いますが、更新頑張りますので、これからも読んでいただけたら嬉しいです^ ^ (2015年4月18日 19時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 少ししか読んでないのに、文章がスーと頭に入ってきて自然とイメージを膨らませてくれました！ 文章がとても綺麗で、芯がありながらも優しい雰囲気を感じました☆ 更新楽しみにしています(*^^*) (2015年4月18日 19時) (レス) id: 8dd0998254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2015年4月18日 13時
