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『君の心臓は爆弾を抱えている、もって後3ヶ月』
そう告げられて、1ヶ月が経った。
「きみのえがおで…これだけの…ひとが…わらってるの、に…」
己の意思とは関係なく、日に日に弱っていく体。
最近ではもう、歩くだけで呼吸が乱れて、歌うだけで息が苦しい。
それでも歌うことを辞めないのは、それが俺の生き方だからだ。
毎日毎日、病院の中庭で歌うのが日課になっていた。
「ひとりじゃ、ないと…きづいて、ほしい、よ…」
「…藤ヶ谷・太輔こんな所に居たのか」
突然背後から声がして振り返ると、黒いスーツを来た男が立っていた。
「お前、誰だよ…」
ゆっくりと近づいて来る相手を怪訝な表情で見つめながら数歩後退ると背中に木が当たり逃げ場がなくなった。
「俺の名はワタル、お前の魂を導く者」
「俺、の…魂を…導く…？」
頭の中で警報が鳴り響き、無意識に体が逃げようと走り出した瞬間、胸に激しい痛みが襲い俺はその場に倒れ込んだ。
「そんな身体で走ったら死ぬよ？」
「たすけ、…て…」
誰でも良かった。
何でも良かった。
俺はまだ、死ぬ訳にはいかない。
抱き起こされ、服が皺になる程強く握り締めた手の上に温かい手が重なった。次の瞬間、息苦しい程の痛みが消えた。
「これでひとまず大丈夫」
「…どうして…」
「今日はまだお前の死ぬ日じゃない。でも、俺は普通の人間には見えないから…こうした方が早いと思った」
まだ、という言葉に喉の奥に何かが詰まる感じがした。
「…俺が死ぬ日を…知ってる…？」
「…ああ」
「…いつ？」
俺の言葉にワタルが視線を彷徨わせた。
「知りたいんだ。この体がいつまでもつのか…」
「知ってどうするつもり？」
「歌う。この命が尽きるその瞬間まで、俺は歌いたい…もう一度だけでいい。ファンの前に立って歌いたいんだ」
もう一度だけでいい、あの大きな会場が綺麗な赤とピンクのライトの海に染まるのを見たかった。例え、それが叶わない夢だとしても。
「…そんな体で歌うなんて無理だよ」
「それでも！！もう一度だけ、俺はあの場所へ帰りたいんだ！」
俺の言葉にワタルが大きなため息を吐いた。
「それがお前の未練か…」
ワタルの言葉の意味が俺には理解出来なかった。
「未練、つまり生きている人間がどうしてもやりたい事。それを成し遂げなければ人間は死んでも此処から離れられないんだ」
不思議そうな顔をしていた俺にワタルは丁寧に説明を始めた。
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琥珀 - はい！！絶対に読みます！！ってゆうか、読んでます(笑) (2015年5月6日 23時) (
レス) id: 81fa3df666 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 琥珀さん» コメント、ありがとうございます！楽しみにしてくださって、本当に嬉しいです。頑張りますので、引き続き読んでくださったら嬉しいです！ (2015年5月6日 15時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 頑張ってください！！続き、楽しみにしてます！！ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 652e9fb3ab (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 海樹さん» 此方にもコメントありがとうございます！凄く励みになります。ゆっくりになるとは思いますが、更新頑張りますので、これからも読んでいただけたら嬉しいです^ ^ (2015年4月18日 19時) (レス) id: 169b65b4ce (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 少ししか読んでないのに、文章がスーと頭に入ってきて自然とイメージを膨らませてくれました！ 文章がとても綺麗で、芯がありながらも優しい雰囲気を感じました☆ 更新楽しみにしています(*^^*) (2015年4月18日 19時) (レス) id: 8dd0998254 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2015年4月18日 13時
