【地縛少年花子くん】奈菜羽と茜の恋語☆

十六話　家 ページ20

「ただいまー…」

疲れた…

何だろ…遊園地を二週したぐらい辛い…

茜くんと帰れたのは嬉しいけど、花子さん達と遭遇したことを思い出すだけで、疲れが…

あああああ…

「おかえり、奈菜羽」

…お兄ちゃんか

本当は、誘拐犯の、お兄ちゃん

何で誘拐したかわ、知らないけど

今日、聞いてみようかな

「…お兄ちゃん。…お兄ちゃんは、何で、私を攫ったの？」

そう聞くと、お兄ちゃんは驚いた顔をして、私を見た

「…いつから、知ったの？」

「高熱で倒れた日、夢を見たの」

そう言うと、お兄ちゃんは険しい顔をして、私の前に立った

そして…私の顔を見て、こう言った

「まだ、あれは思い出してないよな？」

そう言ったお兄ちゃんの顔は、何だか悲しそうだった

そういえば…

「よくわからないけど…夢の中の私は、傷だらけだったような…」

そう言った瞬間、更に顔が険しくなった

前のお兄ちゃんは、どこに行ったのだろうか

私に暴力を振るった、お兄ちゃんは

今のお兄ちゃんは、昔と同じ、優しいお兄ちゃんで

前のお兄ちゃんを、忘れていた

「…絶対、思い出さない方が良い…俺が言うのもなんだけどね。前のことは覚えてないけど…本当に、ごめんね」

…う〜ん…謎は深まるばかりだ…

…すや…

…まただ…

また、眠気が襲ってくる。寝たら、それっきりになりそうな眠気が

何なのだろうか…

「…わかんないや」

「わからないならそれでいいよ。…あ、夕飯は奈菜羽の好きな、親子丼だぞー」

…え？

「親子丼…！ありがとう…神様…！」

「本当に、親子丼好きだよなー、奈菜羽」

だって、お肉と玉子だよ！？

お肉は少しパサパサだけど、噛むたびにおいしくなるし、玉子は味が染みてしかもとろっとろ…！

美味しいんだよー？

…あれ？

親子丼…そんなに、好きだっけ…？

…まあいっか！それより、親子丼！

「手伝うよ！お兄ちゃん！」

「ありがとな」

…あと、一つ言うね

…丼が本格的だな…(汗)

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「「ごちそうさまでした」」

食器を片付け、洗い物をする

今日は、私が当番

お兄ちゃん、喜んでくれるかなあ…

ふんふふーん♪

…あれ？

そういえば、今日

何してたんだろう？

えっと…屋上に行って…

光くんが倒されて…

…あれ…？

そこからの記憶が…

…まったく、無い…

…どうして…？

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