[地縛少年花子くん]知らない。知りたくない

三話　トイレの花子さん ページ4

スミレside

in女子トイレ

光「おい！花子！」

ス『…乱暴すぎませんかね？』

花「よんだ？」

あ…これが、花子さんですか

男の子なんですね…初めて知りました

光「…見えるか？」

…見えないのが当たり前

そう、クラスの皆に教えられた

私は、生まれつき霊感が強かった。理由は知らない

つまり…見えたら、弱者になる、ということ

この人は見えるみたいだけど、そんなの関係ない

ス『…すみませんが、私には見えません』

さっきから、私の周りをぐるぐる回ってますが、そんな事は気にしません。気にしたら負けです

花「…少年」ﾎﾞｿｯ

光「あ？何だ、花子」ﾎﾞｿｯ

…ぼそぼそ言ってるつもりでしょうが、ばっちり聞こえてます

花「多分だケド、この子見えてるよ」ﾎﾞｿｯ

光「は？まじかよ…」ﾎﾞｿｯ

はい、見えてます。こんにちは

光「本当に、見えないか？」

…これは、言うしかありませんね…

ス『…本当は、見えてます。初めまして、“男の子なのに女子トイレに居座る性 欲まみれの“花子さん』

…今いえる、一番の皮肉です

花「何か俺、凄い言われようなんだケド」

ス『気にしないでください。これが私です』

花「それより、何で見えてるの？」

光「祓い屋じゃねーのにな」

それは、私にもわかりません

ス『物心ついたときから見えてます』

花「…祓い屋でもないし、死が近づいてるわけでもないのに…何で見えてるんだろう…」

…私もわかりませんが、多分

ス『偶々ではないですか？それより、お願い事、聞いてください。叶えてくれるんですよね？』

聞いている態度ではないことはわかっています…ただ、早く、消えたかったんです

花「いいよー。何がいい？」

ス『…えっとですね…こんなことを言うのもあれですが…』

…早く、言ってしまいましょう。迷いを、断ち切るために。お父さんを止めるために

ス『私を…

　 消してください』

絶対に、叶わない…そんな事、わかってます

光さんが止めてくださってますが…そんなの、関係ありません

花「…え？」

…やはり、駄目でしょうか…

ス『…まあ、無理ですよね…別のお願い事をしましょうか』

ス『では…私の…誕生日を、知りませんか？』

…花子さんは、全知全能の神では無いので、知らないと思いますが…

花「くふふ…あははは！」

…笑われました。何か…屈辱です

花「君、面白いネ。名前は？」

ス『…嘉寿奈スミレです』

花「スミレね。その願い…叶えてあげる」

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