「あいつらは好きでも、俺は好きではない。……多分」 ページ18
(降谷視点)
「あー、そりゃ、Aちゃんも怒るよなぁ」
事の経緯を話し終わり、成る程と頷いた松田と萩原の結論で言えばやはりそうだった。
女の子怒らせるなんて降谷にしては珍しいじゃん、と言ってくるが自分でもああ言ってしまった事には後悔はしているのだ。
「女だと侮るな…か。アメリカ、それもFBIで絞られてきたAちゃんにはそういう発言は、もしかしたら禁句だったのかもね」
「それで公安に配属されたんだ。こう言っちゃなんだが、公安はあまりFBIを好ましく思ってないだろ」
「……まあ」
「Aちゃんもそれは多分承知の上だったんだろうし、それで降谷のその発言は、確かにAちゃん、怒るわな」
何も言い返せないしぐうの音も出ない。
黙り込む俺が珍しいのか松田がぽんぽんと背中を軽く叩いてくる。慰めてくれているのだろう。
「んでギクシャクしたままここまで来てんのか」
「…そういう事になる」
「でも多分、Aちゃんも悪かったとは思ってると思うよ。降谷の話題出したら一瞬だけど申し訳なさそうな顔してたからさ」
しかし、互いに多忙な上に仕事で俺は警視庁に留まれる時間も少ない。佐倉も佐倉で新人ではあるがやはり元FBI捜査官ともなると仕事は優秀で、何事に対しても覚えるのが早ければ終わらせるのも早かった。
ともすればそんな優秀な彼女に仕事が舞い込んでくるのは当然。そして謝れない日々が続いている。
「エリートでも意外とこういうのは苦手だよな降谷。特に後輩で、女の子相手となるとね」
「煩い」
「ごめんって」
「まあ今度飲みに行こうぜ!Aちゃん誘うからさ!その時に謝れ!」
「……まあ俺らも時間ができたらの話だけどな」
「お前ら俺をエリートだのなんだの言うが、お前らも十分にエリートなんだからな」
「まあな!でも俺は降谷より恋愛とか女の子に関しては自信あるよ?」
「自信満々に言うなよ…」
「そして松田も無愛想に見えて女の子ウケは良いからな!お前の可愛い後輩ちゃん、取られても知らないぞ〜?」
「ッ…お前ら!」
怖い怖いとそそくさと萩原は退散してしまい、その少し後に松田が「悪ぃな」と後にした。
あの萩原の態度、もしかして佐倉のこと…?松田もなんとなく満更でもなさそうに思える。
「………」
だからなんだ。と俺は無関心を装うとするのに、どうにもそれが気がかりになってしまった。萩原のせいだ。
大きな溜息を吐きながら重い足を引きずって俺も本庁を出る事にした。
「勝てる気もしなければ勝てる訳もないのだ。この人には」→←夢主の落書きとか夢絵のようなものとか
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レモン(プロフ) - なかなか言い出せないで嫉妬している降谷さんが面白いです! (2018年12月1日 22時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - スコッチ本名は諸伏景光です! (2018年12月1日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 私も萩原さんオチか松田さんかヒロミツ君オチハが理想です!スコッチ本名出ましたよ (2018年12月1日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 警察学校組好きなので生存していて、うれしいです。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛流(プロフ) - 松田刑事か、萩原刑事オチが理想です。 お身体に気を付けて、更新頑張ってください! (2017年10月9日 8時) (レス) id: 0e1226e354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔@元あい | 作成日時:2017年8月28日 4時