白ひげ海賊団の愛娘【3】

モビーと鬼の日 ページ19

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2月3日。ワノ国では鬼を追い払って新年を迎える、立春の前日の行事、『節分』というものがあるらしい。


イ「その年の恵方に当たる方角を向いて食べることで、病気を寄せ付けず幸福を呼ぶ『恵方巻き』を食べ、やってきた鬼を『鬼は外、福は内』という掛け声と『煎り豆』を投げて追い出す。それが節分さ｣


『おにさん、くるの？』


傍らで不安そうにイゾウを見上げるA。


イ「なぁに、いい子にしてりゃこねぇよ」


そう言ってAの頭をぽふりと撫でるイゾウ。


優しそうに目を細めるイゾウの心の中は心底痛みで悶え死にそうだった。


イ(すまないお嬢……鬼は来るんだｯｯｯｯ!!!!)


そう。どうやら鬼はやって来るそう。


昨日の真夜中。1〜16番の隊長が集まり、鬼の役をする隊を決めるじゃんけんでは中々熱を持った戦いになったそう。


結局4番隊になったそうだ。さっきからサッチが無心になりながらもポツポツと1人で喋りながらキャベツを切り続けている。うるさい。←


サ「なんで俺パー出したんだろ。え、なんで。俺Aに泣かれたら終わるんだけど。人生詰むんだけどさ、え？その頭のフランスパンにはもう夢と希望が詰まってるって？バカだなぁ、憎悪と憎しみでパンパンだぜははははは」←


マ「……致命傷だよい…」


通りかかったマルコが無惨に切られ続けているキャベツを見ながらポツリと呟く。


まぁ行事は大事にしたいよね、の思いが1割。


可愛いAが頑張る姿をみたいが200割。


嫌われるサッチがみたいが120割。(ゲス)


10割超えてる？お前Aの可愛さが10割で収まると思ってんのかあ''ぁん??????←


そんなこんなでAに、節分というものを教え、鬼は来ないが豆まきはしような、と伝えたところ。


『もびーをしあわせいーっぱいにする！』


「ふくは〜うち！もびーにしあわせあつまれぇ〜！」なんて両手を上げてぴょっこぴょっことイゾウの飛び回るA。


イ(……なんで俺こんな心が痛む役受けちまったんだ……)


申し訳ない、と思ったイゾウだが時は無常にも過ぎる。


ルールや約束を破るのは当たり前。悪さなんか日常茶飯事。いかついお兄ちゃんたちがが南南東を向いて無言で恵方巻きを食べる姿は滑稽だ。


一足先に食べ終えたAはお兄ちゃんの周りをうろちょろ。


『Aね、えーすだぁいしゅき！』


エ「ﾌﾞｯｯｯ!!……それはずりぃ」


にしし、と笑うA。

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