拾話 ネタバレ?注意 ページ13
『半天狗のお爺さん、ですか。今日はよろしくお願いします』
半天狗の近くにより、しゃがんで話す。すると、彼は怯えているかのように悲鳴を上げた。
「ひぇえええ!」
『あの、大丈夫ですか?』
「あぁ、儂は小さい…何をされるか分からない…踏み潰されるか、蹴飛ばされるか…恐ろしい恐ろしい…」
見た目通りに臆病な性格だった。
『半天狗さんにそんなことはしませんよ。そうだ、一緒に城の中を散歩しませんか?私、まだ城内を全部回ったことがないので…』
「こんな弱い儂を見えないところで虐めるつもりだろう…恐ろしい恐ろしい…」
『でしたら、私とお話でも…』
「儂と話しても大して面白くもない話で、飽きられ、気に食わなければ、殺すのだろう…恐ろしい恐ろしい…」
この鬼、どんだけ被害妄想が激しいんだ!?
「付添など、儂には恐ろしくてできん!」
『えっ、ちょっと待って!』
声をかけるも、半天狗はそれを無視して少し開いた襖を抜けて出て行ってしまった。
それを追いかけようと立ち上がり、襖を開けて出ていこうとすると、何かにぶつかり、その場に倒れてしまった。
『いったー…すみませんでし…』
「おい、気を付けろ。人間」
「こいつがあの方の元鬼狩りかのぉ?」
「カカカッ!面白そうな女ではないか」
「この人間を相手にせよ…と?」
聞き覚えのない声だった。見上げるとそこには、見知らぬ四人の鬼がそこにいた。
顔が似ているので兄弟なのかと思った。
「その人間を任せたぞ」
半天狗さんの声がすると思えば、彼らの足元に隠れていた。私と目が合うと、まるでネズミのように逃げ去ってしまった。
『半天狗さん!この鬼たちって一体…!』
「俺たちはあの鬼の分身体よぉ」
1人の鬼がそう言った。
『分身体…?』
「可楽、余計なことを言うな」
「積怒よ。そう怒るな」
「空喜、口を挟むでない」
何故か三人は口喧嘩をし始めた。口喧嘩から除外されている一人の鬼に話しかける。
『私は愛乃路 Aといいます。あの、貴女方は一体?』
「…儂の名は哀絶という」
彼から教えてもらったのだが、怒り顔の鬼が積怒、楽しそうな顔の鬼が可楽、三人とは違って鳥のような姿をしたのが空喜だそうだ。
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美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 22時) (レス) @page33 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 面白いです! (2019年11月6日 7時) (レス) id: f675202b80 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - この後、夢主ちゃんは鬼側即ち鬼殺隊の敵になるという事・・・。無限列車で煉獄は上弦の参に致命傷を負わされ、最後は夢主ちゃんに止めを刺されるシーン見たいですね。勿論柱達にも非業の最後もです。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: 58f715f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
シレア(プロフ) - 結婚しましょ((殴 あまりにも好きすぎて本音が出ちゃいました・・・け、結婚を前提にお付き合いしましょう!うん!それが良いです!(ダメです)語彙力が無いのでこのくらいしか言えないんですけど・・・作品鬼がかってて大好き過ぎるんです!頑張って下さい! (2019年9月23日 14時) (レス) id: 89e5ec03ad (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 夏目(プロフ) - 大好きです((( (2019年9月22日 23時) (レス) id: d58669ce2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユラン | 作成日時:2019年9月21日 18時