笑顔とは…… (ページ24)

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あなたside

「……あなたに何がわかるんですか？」

望『Aちゃん？』

「私の何も知らないのに知った口叩かないで。」

ここまでか……

結局逃げきれなかったな。

嘘を重ねても、逆効果。

分かってたはずなんだけど、

帰るしかないか、

あの地獄に。

淳『なぁA、俺らと逃げへん？』

は、？

この人何言ってんの

淳『さすがに高校は辞められへんから、ここにいる間でもな』

望『淳太ばっかずるない！？俺も！』

神『俺やて、Aちゃんがどんなことにあってきたのかはわからへん。やけど自力でここまで逃げてきたんやろ？よう頑張ったな』

濱『俺がマジックして笑わせんで！』

望『1番に笑わせんのは俺や！邪魔せんとって！』

照『望にはまだ早いな、この桐山照史がやんで』

淳『後輩相手に何張り合ってんねん』ﾊﾟｼﾝｯ

重『淳太サイコーwなぁもう一回やってや！なぁ！』

淳『お前は黙ってろ』

流『キレッキレw』

なんなの。

マジでなんなのこの人達。

私のないものを全部もってる。

笑顔。喜び。楽しみ。暖かさ。

幸せに生きてきた人間の証。

私には許されないものだって

この人たちを見てると苦しくなる。

暖かさなんて、お母さん以外知らない。

いつも

『Aは可愛いね、こんなとこに産んでごめんね、幸せになるんだよ。Aはお母さんの宝物だからね』

って言ってくれた。

あの言葉が何よりの糧になってた。

でももう居ない。どこを探してもお母さんはいない

いないんだ。

流『A、泣いとるん？』

W『え、？』

流『目に溜まってんねんけど』

なんかぼやけてるなって思ったけど

水だったか。

泣いてる姿なんてお母さんにしか見せたことないのに

あ、葬儀屋さんにも見られたっけ。

もう泣かないって決めた。

このネックレスと生きるんだ。

私はすぐに手を抓って水を引かせた。

「泣いてません。」

戦うんだ、私は。

ただ逃げてきたわけじゃない。