笑顔とは…… (ページ18)

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スパイラル。ページ18

あなたside

今日も寝付けなかった、

昨日、教室を飛び出たあと

後ろの方から聞き覚えのある笑い声が聞こえた。

前に来たことがある人達だなって言うのは

振り向かなくても気づいてた。

ただそれに妙な寒気がして

その場を直ぐに立ち去りたかった。

何か、知られてそうな予感がする。

ただの予感だったけど、考え出すと止まらなかった。

今朝も登校したくなかったが、

それでまた探られたら元も子もない。

今日は早く帰ろう。

そう胸に決め

緑が見え始めた桜並木を通った。

8時34分

今日もギリギリに来た

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

望『あ、Aちゃんおはよ』

｢……｣

…人は何を考えているか分からない、

だから尚更怖くなる。

神『Aちゃん、おはよ』

重『今日も元気かい？』

流『あぁおはよ～』

｢……はよ、ございます、｣

．

私も本当は申し訳ないと思ってる。

もっと素直でいたい、

笑ってみたい、

この人達と普通に話してみたい。

そんな願望は

後ろの方から聞こえた声にかき消された。

" あいつまた喋ってるよ "

" まじ男好きかよww "

" どっから来たか知らんけど馴れ馴れしすぎやろ "

" あの四銃士に囲まれてんねんで？それで無視とかないわ "

" 小瀧くんが可愛そうやわ "

．

．

だから嫌なんだよ。

影でグチグチ言われるのわかってたのに

関わるなって言ったのに。

喋りかけないでって言ったのに。

こうなることわかってたのに。

さっきの願望はどこへ行ったのか、

自分の思考が全て真反対に裏返される。

負のスパイラルへのめり込んでいく。

色々なことが頭の中を回り続けている

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

江『席座れよ～。HR始めんで』

先生の声で冷静になれた

江『テストに向けて勉強してんのか～？』

『してるわけないやん！』

江『高校は義務教育やないねんからしっかりやるんやぞ』

『りょー』

そうだよ。

義務教育じゃないんだよ、高校は

いつだって辞めていい。

でも、ここで逃げたら負けを認めてるのと一緒。

前の自分とは違う。

逃げるために来たわけじゃない、

まぁ7割逃げてきたんだけど

虐められてても関係ない。

あれって自己満でしょ？

耐えてればいつか飽きてくれる。

反撃はしない。

あいつと一緒にされたくないから。

もう一度、自分に精一杯の嘘をつこう。