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Aがいなくなってからも、俺とスニョンの関係は大きく変わらなかった。ただ、スニョンはわかりやすく落ち込んでいたけど。それから別々の大学に進学して、スニョンと会う機会も減って行った。
そんなある日のことだった。
WZ「同窓会？」
HS「そう。おまえのところにも招待状来てるでしょ？」
WZ「あー…来てたような気もするけど…忘れた」
久しぶりに会ったスニョンの言葉に、ポストに入っていたような、いなかったような招待状を思い出す。相変わらずだな、と苦笑を浮かべるスニョンに、帰ったらちゃんと見てみるわ、と返事をすればスニョンは残っていた焼酎を一気に飲み干して、あのさ、と少しだけ真面目な顔をする。
HS「A、覚えてるだろ？」
WZ「…あいつが、なに？」
久しく聞いていなかったその名前に、動揺した声が漏れる。それでも俺の記憶の中でその名前の女はただひとりだけで、スニョンの告げたその名前が、俺の思い浮かべた女だと言うのは聞かなくてもわかった。
名前を聞いただけなのに、ズキンと痛む心に自嘲が漏れる。何年経っても、結局Aは俺の心に住みついたまま。残酷にも、俺の中から出て行ってはくれないらしい。それを無視して、もう8年も経った。
HS「ジフナさ、Aのこと好きだったよね？」
WZ「そんなこと言った覚えねえけど」
HS「うん、でも…そうでしょ？」
WZ「別に。幼馴染みとしか思ってない」
HS「ふーん…そっか。ならよかった」
俺の言葉なんか信じていないくせに、そう言って笑うスニョンに苛立ちを覚えて。何が言いたいわけ？と睨み付ければ、そんな怖い顔しないでよ、とまたスニョンが笑う。
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作者名：緋夏
| 作成日時：2020年3月27日 15時
