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WZ「じゃあもう、一生会えないってこと?」
「…そんなことない。スニョアと3人でなら、また会える」
WZ「ほんと、おまえのそういうところが嫌いだったわ」
「…うん、ごめん」
でも、好きになっちまったんだよ。
「でも…ジフナの事、本当に好きだったんだよ」
既に過去形になっているその言葉が、俺の心に刺さる。
俺は今でもおまえが好きなのに、勝手に過去の話にすんなと怒鳴りたくなった。
「ジフナ、」
WZ「もういい。その声で、俺の名前呼ばないで」
「…ごめんね、」
柄にもなく、恋愛で泣くことになるなんて思いもしなかった。こんなに辛い思いをするくらいなら、愛するなんてことを知らなきゃよかった。
WZ「…俺の、この想いってなんだったんだろうな」
「え?」
愛してるなんて何度となく言ってきたけど。Aに俺の想いを伝えてきたつもりだったけど。
スニョンの言葉が、俺の脳裏に蘇る。
WZ「どれほどおまえを想ったら、この想いを愛って呼んでいいの?」
愛じゃなかったなら、この想いは何?でも、聞かなくたって薄々わかっていたんだよ。
それはそんなに、綺麗なものではなかった。愛と呼ぶにはおこがまし過ぎるような、汚れた想い。
最後までAを責めて追い詰めて困らせて。クールで男らしいなんて言われていた過去の俺が見たら幻滅するんだろうな、なんて思った。
WZ「スニョアと…何が違うわけ、」
スニョンより先に行動していれば良かっただけの話。自分の想いに気付きながらも、プライドが邪魔して踏み込めなかった俺が悪いだけの話だ。
俺とAが同じ歩幅で歩いたことはきっとない。Aが俺の歩幅に合わせてくれていただけの事。Aの歩幅は、スニョンの隣を歩くのがちょうどいいんだろう。
WZ「冗談だよ。黙んなよ」
「ジフ、…」
名前を呼ぶな、と言ったことを思い出したのか、口を閉ざしたAに…今この時が全て現実なんだと痛感した。Aはもう、俺のところには戻ってこない。手に入れたくて仕方なかったはずのAは、俺の後ろをスニョンと歩くことを選んだんだから。
WZ「さっきの嘘」
「え?」
WZ「俺の大好きな声で、俺の名前呼んで」
「…ジフナ、」
WZ「うん」
多分これが最後。Aはスニョンの元に行ってしまうから。
WZ「大好きだったよ、A」
「私も」
毒が広がっていく前に、どうかおまえを忘れられますように。
-毒が広がっていく前に-
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作者名:緋夏 | 作成日時:2020年3月27日 15時