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「スニョア」
HS「A!どこにいたんだよ〜」


衣類を直して会場に戻った俺とA。同級生に囲まれていたスニョンにAが声をかければ、スニョンは嬉しそうに笑顔を浮かべた。そして俺を見て軽く手を上げてきたから、俺もそれに返事を返した。

さっきまで乱れていたとは思えないほど澄ました顔のAに笑いそうになる。女ってマジで女優だな、なんて。そしてすぐに同級生に囲まれたAを見ながらそんなことを思った。


HS「久しぶりにAと話した?」
WZ「ああ」
HS「そっか。8年振り?」
WZ「まあ、そうなるな」


いくつになっても何年経っても、どの同級生より美人で綺麗なA。男共はわかりやすくAにデレデレだし、女は嫉妬や尊敬や、いろんな視線をAに集めていた。


HS「A、綺麗になったでしょ?」
WZ「ああ。それに色っぽくなった」


そう言った俺にスニョンは特に疑うこともなく、だよな〜なんて呑気に笑っていて。Aが自分のものになった途端安心して気が緩んでいるのかと呆れる。俺をライバル視しているのなら、取られる心配もしておかねえと。気付いたら俺のもんになってるなんてこと、想像もしてねえんだろうな。
幸せそうなスニョンの横顔にそんなことを思った。


WZ「つうかさ、Aって高校の時より太った?」
HS「え、そうでもないでしょ」
WZ「ふーん。じゃあ着やせするタイプか」
HS「あー。そうかもね」


へらへら笑っているスニョンにマジで呆れる。俺の言った言葉の意味も理解していなくて、何も気付いていないスニョン。
あー、そういえば。


WZ「その能天気なところ、昔からちょっと嫌いだったわ」


Aの八方美人も嫌いだったけど、スニョンのそういうところも嫌いだったなって思い出した。


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作者名:緋夏 | 作成日時:2020年3月27日 15時

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