2 ページ2
.
WZ「…おまえな、」
「いいじゃん。流して？」
WZ「チッ…はあ、」
面倒な顔を全面に出している俺なんか無視して、俺の身体に全体重をかけて寄りかかってくるA。重いんだけど、とその身体を押し返せば、Aは気にすることなく俺のスマホを取り上げた。
WZ「自分のスマホに入ってんならそれで聞けよ」
「ジフナと一緒に聞きたいんだもん」
WZ「おまえさあ…」
多分、教室中のいろんな視線が俺たちに集まっている気がして居心地が悪い。Aが近くに来るだけでいつもこの有様だ。だから俺からは近づかないようにしてんのに、こいつは本当にそんなことお構いなしだから。
「ていうかさ、ジフナってやっぱりウジに似てるよね」
WZ「よく言われる。主に言うのはおまえだけど」
「そうだっけ？」
WZ「そうだよ。そんで、スニョアがホシだろ？」
「うん、そう」
スマホの画面に写っているセブチの写真を見ながらAはそう言って笑う。そしていつも、決まった言葉を続けるんだ。
「私、ウジが1番好きだな」
WZ「…俺はウジじゃねえけどな」
「うん、知ってる」
そんなことを言って、Aはいつも俺の心を揺さぶる。いつもいつも、必死に平常心を装ってる俺の身にもなれよって、楽しそうなAを見ながらため息が漏れた。
WZ「ウジはビジュアル担当じゃねえけどな？」
「でも私は、ミンギュよりウジの方がイケメンだと思うけどね」
必死に装って…結局俺がいつもAに振りまわされてることなんて、きっとこいつは気付いていなくて。
AによってリピートされたFearに、また小さくため息をついた。
WZ「…目、おかしいんじゃねえの？」
「ううん、正常だよ」
昔からマイペースなAに、慣れてしまっている俺がいた。
そしてそんなAの存在が俺にとって特別だってことにも気付いている自分がいた。
「ねえジフナ。昔は一緒に校庭走り回ったじゃん」
WZ「何の話」
脈絡のない会話に素っ気なくそう返事をしたら、Aはイヤホンを外して視線を座っている俺に合わせてくる。真正面から絡まった視線に、柄にもなく動揺した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋夏
| 作成日時：2020年3月27日 15時
