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「ジフナ?」
WZ「おまえ、スニョアと付き合ってるんだって?」
「…あ、聞いたんだ?」
WZ「好きなの?あいつのこと」
「好きだよ」
WZ「それ、認めないって言ったらどうする?」
「え?」
WZ「おまえのせいで俺の心は穴が開いたままなんだからさ、その穴おまえが埋めてよ」
「…っ」
おまえのせいで、毒に犯 されているみたいに心が痛いんだよ。
「んっ…ジフナ、」
WZ「A」
久しぶりのAが俺の心を満たして。広がっていく毒さえも、麻薬のように心地良くなっていく。交わった視線に、胸が熱くなった。
いなくなってからAの大切さに気付いても、もう遅いと思っていた。Aが俺のところに戻ってくることはないし、二度と会うことはないんだって。
Aはスニョンを選んだし、どう転んでも俺を選ぶことはないと思っていたのに。
WZ「スニョアなんかやめたら?」
「…それ、どういう意味」
WZ「そのままの意味。俺の方が、おまえを満たせると思うけど」
スニョンのものになったAを、奪いたくなった。スニョンから奪って、Aの視線を独り占めにしたいと思った。
会場の方から同級生のAを探す声が聞こえて。俺は死角にAを引っ張り込んだ。俺の腕の中で黙って大人しくしているAに、胸の中に今まで感じたことのない感情が芽生えたのを感じる。
いつも人に囲まれていたA。Aの人気はきっといつになっても絶えないんだろうなと思っていたけど、やっぱりその通りだった。何年経っても、Aはみんなの輪の中心にいる。
それを俺は遠くから見ているだけで、そこに交じりたいと思ったことはなかった。
「スニョアとは、付き合い始めたばかりだよ?」
WZ「それ、関係ある?」
「……」
WZ「だってA、俺のこと好きじゃん」
「…いつの話してんの?」
でも俺は、ガキの頃から心のどこかで確信していた。みんなから人気者のAは、俺のことが好きなんだって、ずっとそう思っていた。そう感じたのはきっと間違いではなくて。
Aの俺を見つめる視線は、あの頃から変わっていない。
WZ「いつ?今も昔も、現在進行形で話してんだけど」
「……」
WZ「スニョアと付き合えば、俺が嫉妬すると思った?」
「…別に、」
段々と口数が減っていくA。こういうところは昔からわかりやすくて。
俺を見つめる視線に堪らなくなって、深く舌を絡めた。
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作者名:緋夏 | 作成日時:2020年3月27日 15時