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WZ「なんなの、おまえ。スニョアに惹かれてんじゃねえよ」
「ジフナ、ごめん…」
WZ「一緒にいれば、誰だってあいつのこと好きになる。そんなの…昔からわかってたじゃねえかよ」
スニョンにはそういう魅力がある。人を引き付ける魅力。人に愛される魅力。
俺にはない、スニョンの魅力だ。
昔は2人の間には俺がいた。だからAの視線は、自然と俺に注がれていたのに。スニョンへ向ける視線は…俺のものとは違ったはずなのに。
スニョンが本気になって2人の時間を増やした途端これだ。簡単に、流されやがって。ムカつくんだよ。
「ちょっとジフナ…!」
Aをソファーに押し倒せば、俺に力で敵わないことはわかっているはずなのに抵抗しようとするAに腹が立った。
スニョンはこんなことしねぇだろ。無理矢理なんてこと、あいつはしない。俺とスニョンは、正反対だから。
WZ「スニョアはなんて?」
「え?」
WZ「俺と別れてほしいとでも言われた?」
だから、嫌いなんだよ。
勝てなくて、嘘をついて、偽って。どんどん自分が惨めになっていくから。
「ジフナ、私が悪かったの」
WZ「は?」
「あなたのことが好きだった。昔から、大好きだった」
WZ「だったら、」
「でも…そばにいてくれたのは、スニョアだった」
WZ「…っ」
スニョンの存在は、星のように華やかで、花のように艶やかで、そして、毒のように人の心に染みて蝕んでいく。でもその毒って、ある人にとっては猛毒なのに、ある人にとっては麻薬のように心地良くなるもの。だからきっと、
WZ「おまえが欲しい」
「やめて、ジフナ…」
WZ「俺がそう言っても、おまえはスニョアを選ぶわけ?俺との時間は、あいつに負けてんの?」
Aにとっては、抜け出せない心地の良い毒。逃れられない、一緒に浸食されても構わないような、幸せな毒なんだろう。
――HS「おまえって昔からそう。興味ない振りして、涼しい顔をして…俺の欲しいもん全部奪ってく」
それは、おまえの方じゃん。
俺が手に入れたものさえ、いつも当たり前のように奪い去って行く。そんなスニョンが、憎くて羨ましかった。
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作者名:緋夏 | 作成日時:2020年3月27日 15時