モノクロ５＜ARS＞ (ページ8)

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その日の夕飯も、ずっと、智くんが傍にいてくれて

手を繋いで、ぎゅって抱きしめられて、テレビを見たり、雑誌を見たり

ドラマやってた時期の話とか、いろいろ話してくれた

智「本当は、あんなキレーな死じゃないのはわかってんだ」

「…綺麗な、死」

智「…だけどさ、こうであってほしいっていう理想ってゆーか…んふ、うまく言えねぇけど」

舌っ足らずな智くんの声にドキドキする

智「人生の最後はやっぱ、大好きな家族に…、できれば大好きな人の顔見たいって、思った」

きゅって、手を握られたら

そのぶん、心臓の心拍数が増える

しばらくして、遠くでお風呂の湧いた音がした

智「…あ、A、お風呂入ってきな？」

「はい！」

繋いだ手が、名残惜しく離れた

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お風呂から上がると、リビングに誰もいなかった

おかしいな…、いつも誰かいるのに

みんな、部屋にいるのかなぁ

リビングにいる用事もないから、さっさと寝ちゃおう、って自分の部屋のドアを開けたら

智「Aちゃん、お風呂上がった？」

なぜか、自分のベッドの上に智くんが座ってた

「…え？なんで智くん…」

智「Aが寝るまで、そばにいてあげようかなぁ、って」

だめ？って首を傾げられたら、だめ、なんて言えないよ

智「髪の毛ちゃんとふいてよ、もぉ(笑)」

プールの時みたいに、髪の毛に指をさしこんで

すうってなぞられたら、背筋をなぞられたみたいにふわってした

「…//智くん…」

智「…そーやって、男心くすぐるからいけねぇんだ」

「え？」

智「ん？こっちの話。世の中早いもんがちだもん」

「意味わかんないです(笑)」

クスクス笑ったら、一瞬男の人に見えた智くんも柔らかく笑ってくれて、安心した

智「はい、ねんねの時間ですよー」

ふざけながら、私を強引にベッドに寝かせて、タオルケットをかぶせてくれる

智「はい、おやすみなさいは？」

「…おやすみなさい」

ベッドに肘をつきながら、見つめられると、なんだか寝にくいんだけど…

智くんと目が合うと、微笑み返してくれて

なんだか恥ずかしい

しばらくして、また、ちらりと智くんを見たら

なんだかすごい体勢で、智くんが寝落ちしてた

え？どうしよう…

これ、絶対体痛くしちゃうよ！

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