モノクロ５＜ARS＞ (ページ4)

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１６４【M side】ページ4

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智「…んだよ、勝手に入んな」

潤「なーに、ふてくされてんだよ(笑)」

やっぱり、ベッドに寝っ転がってた

Aには悪いけど、彫刻とか絵をやってるわけない

俺らがAにくっついてるの気に入らないはずなのに、輪に入ってこないってことは

趣味以上に考えることがあるってことでしょ

潤「…A、智くんは？って心配してたぞ」

そう伝えたら、ちらりとこっちを見たリーダーが、鼻で笑った

智「お前、よっゆーだな(笑)ライバルにそういうこと言うのだめじゃね？」

潤「…ライバルっつーけどさ」

リーダーが寝そべってるベッドに座ると、彼はむくって起き上がった

潤「ライバルも何も、先生倒さなきゃ始まんないってことわかってる？」

智「…」

５人の中で１番になったとしても、Aの心に先生がいる限り太刀打ちできるはずがない

智「…どーやって、先生に勝つんだよ」

潤「珍しく弱気だな」

リーダーの眉間に皺が寄ったのが見えた

俺は、なにかイケナイこと言ったように思えて、何となく目を逸らす

嫌な予感は的中するもので

リーダーが、ぽつっと呟いた

智「Aに本気になればなるほどさぁ…忘れてたアノコのことを思い出す」

潤「…」

智「あんとき現実見せられたな…つーか、アノコが重なったんだよ。ビビったわ…」

顔に手をあてて、へらへらって力なく笑ったリーダー

あんとき、って何のこと言ってるかわかんないけど

ここで、リーダーが大切にしてた女の子が出てくると思わなかった

もう、俺らの中ではタブーになってるくらいの

智「…怖い顔すんな(笑)未練があるとかじゃなくて、おんなじこと繰り返すのが嫌だっつーこと」

本気になればなるほど、失うモノはでかい

わかってるよ

わかってることだらけの中で、わかんねぇのは

Aの先生のことだけだ

潤「…じゃあ、諦めんのかよ」

智「はぁ？んなこと言ってねーべ」

ただ、ってリーダーは続けた

智「俺もあんな思いしたくねぇけど、それ以上に…アノコにも辛い思いさせたくなかったから」

潤「いっぱい喋んね今日は」

ふって笑ったら、リーダーがまた、ごろんって寝っ転がる

智「…この手で何すっかわかんねぇ」

自分の手を見つめながら、震える声で呟いたリーダーを

どこか他人事のように見てた自分がいた

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