モノクロ５＜ARS＞ (ページ25)

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翔「智くんにあんなに泣きじゃくる姿見せられた時の心境考えてみ？」

クスクス笑う翔くんに、かあ…って体が熱くなる

翔「俺だって結構キツいよ？」

そんなこと、智くんと和くんがいる前で言わないでよ…

どう反応すればいいの？

和「ごめん、ぜんっぜん話が見えない」

智「……」

翔「Aには、先生っていう彼氏がいるんだから、簡単に触っちゃだめってこと」

“それと”って指をたてた翔くんが、私を見てにっこり笑った

翔「触る理由が特別ないって人は触んなってこと」

ぴくって、智くんの体が反応した

触る理由…って…

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“…キスしたことは、謝んないよ？だって、Aは俺の好きな子だから”

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翔くんの言葉が頭の中に響いた

和「触る理由が翔さんにはあるんだ？」

挑戦的な和くんの声に、翔くんが壁にもたれかかった

翔「あったら何？」

智「翔ちゃんになんかされた？」

智くんが、私の肩をつかんで目線を合わせる

…言えるわけない

キスされて、告白された、なんて

「…なにも…ないです」

和「かわいそうなA。嘘がつけないんだね」

これ以上、ここにいたら、いろいろ墓穴掘っちゃう…

逃げよう！

「わ、たし、部屋に戻ります」

くるっと後ろを向いて、部屋に向かった

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はずだったのに、翔くんの腕が腰にまわってた

翔「隙だらけっつったでしょ」

頬に翔くんの唇がふわりと触れた

……なんでこんなに困らせることばっかり！

涙目で睨むと、翔くんは私を解放して、ぞっとするうな低い声で囁いた

翔「俺って、手段を選ばない男だから」

…そんなの、知らない！

泣きそうになりながら、部屋に駆け込んだ

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吉『久しぶりに連絡来たと思ったら、また泣いてんの？』

「泣いてるっていうか…悔しいっていうか…」

吉『……訊こうか迷ったんだけどさ』

「ん？」

吉『仕事場のやつに手とか出されてない？』

「…、どういう、こと…」

吉『んだよ！出されてんのかよ！あー、赤いブツの再来かよ…』

「赤いブツ？」

吉『知らなくていいよ。マジで。ポストに入ってた時の絶望感は二度と味わいたくない』

変なことばっかり言ってる吉沢くんに電話したのは、気を紛らわせたかったのと

誰かに気持ちを吐きたかったからだ

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