モノクロ５＜ARS＞ (ページ19)

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「翔くん、どういうことっ？」

車に乗り込んだ翔くんを追って私も車に乗る

バタン、ってドアが閉まる音がやけに大きく聞こえた

翔「そのまんまだけど？」

ハンドルに両肘でもたれかかる翔くんが、そう言い放つ

なんて返せばいいかわかんなくて、沈黙してると

翔「…簡単に種明かしすんのはつまんないんだよね」

チラリ、と私の方を横目で見てから、翔くんは口角をあげた

その時

ブブブブンって音がしたと思ったら、バイクに乗ったカップルがすぐそこに止まる

それに気を取られて、彼が近寄ってたことに気づかなかった

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翔くんが、さっきみたいに私に覆い被さって

私の両手首をぎゅっと掴んで、シートに押しつける

「…っ、ちょ、翔くん！？」

翔「…しー…。バレたらまずいから騒がないでね」

窓の外を見やって、クスって笑った彼はどこか妖艶で

手首に力をいれるけど、全然離してくれない

それどころか、ぎりぎり締めつけられてる

「い…った」

翔「あぁ…ごめんね？」

ごめん、だなんてこれっぽっちも思ってないくせに…

涙目で睨むと、おでこがごつ、ってぶつかった

怖い

優しい翔くんじゃない

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翔「煽るんじゃねぇよ」

荒っぽい吐息がかかったと思ったら

強引に唇が塞がれた

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待ってなにこれ

やだ…キスされてる…っ

翔くん…

なんでこんなことするの

やめて…っ

「ーっ！んん…っ！」

涙がポロリ、と落ちて

それを翔くんの指先が拭う

片手が解放されてることに気づいて、翔くんのTシャツを掴んだけど

キスが止まない

翔くんの舌が唇を何度もつつく

口を開けたくないのに、片手で身体のラインをなぞられたら声が漏れて

その瞬間、舌がぬるり、と絡む

ぞわぞわって背筋の寒気とは反対に

口の中が火傷しそうなくらい熱いよ

水音が響いて、恥ずかしくて涙が止まらなくて

抵抗することも忘れてて

やっと唇が離された時に、肩で息をしていた私を抱きしめた翔くんは

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翔「好きだよ」

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ってとても優しい声で囁いた

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