モノクロ５＜ARS＞ (ページ15)

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まーくんが、シャワーを浴び終わって、廊下をぺたんぺたん歩いてくる音がする

ハグされないように、スルーしよう…！

バタン、って音と一緒にドアが開いた

雅「A～…」

エアコンの前で、“ふひゃー、涼しいっ！”って言ってる姿はまるで仔犬だ

そのままキッチンで野菜を切ってたら、まーくんが近寄ってきた

雅「ね、A、さっきの…」

「あ、あの、今日は、まーくんだけですか？」

雅「んー？えっとね、多分皆0時まわるんじゃないかなー…収録がね、遅いみたい」

「じゃあ、夕食はまーくんと２人ですか？」

雅「そーだねっ！今日の夕飯なぁに？」

ぐいって私の後ろから覗きこんだまーくんが、近すぎて動揺する

なんでこの人たちは、平然とくっついてくるの//

「豚の生姜焼きにしようかと思ってたんですけど、まーくんがいるなら唐揚げにしようかな…」

雅「…俺、別にすっげぇ唐揚げ好きとかじゃないよ？中華好きだし、生姜焼きも好き！だから、生姜焼きでいいよ？」

まーくんは、ねっ？って微笑んだ

…やっぱり居心地がいいなぁ

雅「あー！敬語戻ってるし！ハグしてないし！」

なんて言いながら、後ろからぎゅって私を抱きしめた

「…あの、まーくん//」

雅「お疲れ様だもんほんと」

喉の奥から出したような切ない声に、だめって言えなくなっちゃった

雅「敬語したらダメだからっ！わかった？」

「…うん！」

急にぱぁって明るくなって、まーくんは私から離れた

まーくんには敵わない

無邪気な笑顔を向けられたら、なんでも許しちゃうし

優しくて、甘えたくなっちゃうし

なにこれ、なんか胸が苦しい

雅「俺、味噌汁つくろっかな！」

まーくんが、にーって笑うだけで

きゅう、って胸が締めつけられたような気がした

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