モノクロ２＜ARS＞ (ページ18)

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和「こーやってるとさ、なんかいいね？」

「何がですか？」

和「Aが朝ごはん作ってるの見てるの」

「ふふ、みなさんもまだいないですしね？」

和「２人きりだねAちゃん」

朝ごはんを作る手を止めて

キッチンの向こう側の和くんの方に目を向けると

可愛い顔で私をずっと見てた

仔犬だ、うん

意地悪しないなら飼いたいくらい

「そ、そうですね//」

和「彼氏と彼女みたーい」

「そんな年齢じゃないですよ(笑)」

和「じゃあ夫婦」

「ふ、夫婦って//」

和「ん？なんか問題ある･･･って、指どーしたの」

私の指をじーっと見てる

あ･･･まーくんにあのあと絆創膏貼ってもらったやつだ

「ちょっと切っちゃって･･･」

和「和くんが魔法かけてあげる」

人差し指をくるくる

和「いたいのいたいのとんでけー」

やる気のない声でも

彼が言えば甘い言葉になるのはなんで？

わかんない

全然わかんない

なんで私ばっかりドキドキしなきゃいけないの

和「なおったかなー」

「//な、治りました//」

空気を変えたくて

朝ごはんを彼に渡すと

お皿を持ったまま

また、

私をゆっくり見つめた

なんか変だよ和くん

この間から

ちょっとおかしいよ

冗談言わない和くんなんて

調子狂っちゃうよ

.

和「あのさ…」

和くんを見れなくて

なにも言えなくて

ただ微笑んでみたけど

私、変な顔になってないよね？

和「ん、や、なんでもないわ」

鼻をさすりながら

まるで、ごめんって言ってるみたい

なんのごめんなの？

ねぇ、和くん…

「…もう、これじゃあ別れ話するカップルみたいですよ(笑)」

あは、って苦笑いされて

どうしようもない気持ちになる

あれ？

和くんの誕生日なのに

なにも温かい気持ちになってない

って気づいたときは

彼がもう仕事に行った後だった

.