３７０ 【S side】 ページ10
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先生がAの頭を撫でると
俺らの方を振り返った
領「…連れて帰ります。看病していただきありがとうございました」
和「ちょっと待って…」
先生が、ニノの言葉に目線だけ動かした
領「何ですか？」
怖い
殺気立ったものが伝わってくる
美しさ故の恐ろしさなのか
和「…話が通ってないし、簡単に連れて帰られても困るのよ。せめて自己紹介くらいしてくれたっていいんじゃない？」
挑発的なニノの態度に、先生はその場に立ち上がった
領「大変失礼しました。僕は成瀬領と申します」
深々と礼をすると、俺らにまたあの綺麗な微笑みを向けた
領「貴方達のことは存じ上げております。Aを今まで預かっていただきありがとうございました」
潤「…勝手に連れて帰るのかよ」
領「…勝手に僕のAに触れた貴方達に言われたくありませんね」
さっきまでの優しい微笑みはどこにいったのか、鋭い目つきで俺らを睨む彼
雅「…明日まで待ってよ」
雅紀の悲痛な声が響く
領「…」
「ん…」
Aが起き上がろうとする
先生が振り返ってその華奢な肩を抱いた
「領…、お仕事終わったの…？」
領「終わらせてきたよ」
「…よかった」
先生にぎゅっと抱きついた
まるで俺らのことは見たくないかのように
領「A、帰ろうか」
「ん……」
翔「A…！」
思わず、呼び止めてしまう
もう、帰ってきてくれないような気がして
ここで引き止めなかったら
二度と会えないような気がして
「…翔くん…」
領「A」
俺らに振り返ったAの視界を遮るように
先生は彼女をお姫様抱っこした
領「僕の家に帰ろう」
器用にAの頬にキスを落とした彼は玄関に向かう
こんな形で終わるなんて
そんなの…
智「A！」
今まで何も言葉を発さなかった智くんが
大きな声でAを呼んだ
Aが俺らの方に顔を向ける
智「また、戻ってきて…一緒に…」
Aが微かに笑う
それは…、戻ってきてくれるってこと？
先生は、そのままAを連れていって
玄関の閉まる音がした
智「お礼くらい、言わせろよ…」
ぽつりと呟いた智くんに
俺らは何も言えなかった
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ゆめ - 私的にはさとしくんと結婚して欲しかったなーって感じです（笑） (3月15日 14時) (
レス) @page42 id: 3dc3e53296 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 読み終わりました。5人に愛されて羨ましい〜 (2021年12月5日 20時) (レス) @page42 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 3回読み直しました！笑 ドキドキワクワクで何回読んでも飽きない大好きな作品です！ (2020年3月23日 16時) (レス) id: 2958855b9d (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 今まで読んだ占ツク作品で一番感動しました！ 最後にキスしたのは、ニノだと思います(願っています)。 (2019年8月12日 21時) (レス) id: 395b1ced10 (このIDを非表示/違反報告)
おふ - まじで映画化してほしい (2019年2月2日 1時) (レス) id: 54d489ca52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まれ
| 作成日時：2017年6月10日 23時
