３７、残酷 ページ37
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斎「そういうの、ストーカーっていうんだよ？」
…可愛い顔して、すごいこと言っている斎藤さん
人って怖い
斎「訴えられて、ますます松本くんに嫌われちゃうよ？」
ますます…って、潤くんはやっぱり私のこと嫌いなのかなぁ
そんなの嫌だよ
斉藤さんを見つめ返したら
斎「邪魔、しないでほしいんだよね」
って鋭い声と一緒にわざと私にぶつかって、早歩きで改札口を通ってった
思わずよろけて、近くの壁に寄りかかる
「…邪魔…って」
やっぱり、潤くんと斉藤さんって…
付き合ってるのかな
あれだけ私のこと嫌がってるから、やっぱりそうなんだろうな
諦めなきゃ、いけないのかな
待ってても無駄なのかな
「…う、…」
ぽろぽろ涙が落ちてきて、慌ててぐいって拭う
だってこれはケジメだもん
先輩たちと二宮くんがこんなに背中を押してくれたんだから
嫌われてたって、全部潤くんの口から確かめて
思いを伝えたい
.
19時30分
この時間に、絶対学校は閉まる
学校から駅まで歩いて15分くらいだから
遅くても20時には駅に着くはず
だけど、いつまでたっても潤くんは現れない
もう私の高校の制服の人は誰もいなくて
もしかしたら今日は潤くんは自転車なのかも、とか
バスで帰ったのかも、とか
嫌な予感ばかりが頭の中をぐるぐる
.
やっぱり、恋の神様は残酷だ
潤くんと会わせてくれないなんて
さっきから、涙が零れてばっかりでね
制服の裾が濡れちゃってる
誰かに見られないように、隅っこで涙を拭っても
止まらないの
ふと時間を見たら21時を過ぎようとしてて
潤くんと会えるって信じてた自分が
とんでもなくバカで
すごく情けなく思えた
.
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作者名：まれ
| 作成日時：2014年4月27日 14時
