不器用な君。 ◇Jun.M◆ (ページ36)

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３６、冷たい声ページ36

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雅「松潤のとこ行ってきなよ」

にこにこって笑いながら言った相葉先輩

え？って聞き返したら、ごつってゲンコツがふってきた

痛くて顔を思わずしかめたら

雅「リハ集中してないでしょ？」

やっぱりバレてたんだ…

申し訳なくて頭を下げる

「ごめんなさい…」

雅「だから、はやく会いにいきなよ！ね？」

“Aちゃんなら大丈夫だよ”

根拠なんてないのにあるように聞こえるのが、このヒーローのすごいとこ

「…ありがとうございます！」

荷物を持って、体育館を飛び出した

後ろを振り返ったら、相葉先輩がブンブン大きく手を振りながら

雅「頑張れーっ！！！」

って大きな声で叫んでくれたんだ

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潤くんがどこにいるかわからない

だけど

電話はしたくない

直接、会いたい

いつも一緒に帰ってた駅まで無我夢中で走る

潤くんは絶対電車で帰るから、駅で待ち伏せしてれば会えるはず

腕時計を見たら、16時だった

こんなに早く帰れるのは、出し物の準備をしなくてもいい特権を得てる実行委員だけ

だからお願い

潤くんに、会わせて

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斎「佐原さん？」

18時を過ぎた頃だった

何となく顔をあげて、目が合ったのが

なんで斎藤さんなの

斎「誰かを待ってるの？」

近くで見ると噂通りやっぱり可愛くて

同い年なのに、はい、って答えちゃった

斎「そういえば、さっき教室に松本くん探しにきてたよね？会えた？」

「…いえ」

斎「…そっか」

沈黙が辛くて、どっかに逃げ出そうって気持ちになる

潤くんと付き合ってるのかもしれない彼女と一緒にいるのはだいぶ酷だ

「えっと、…」

斎「松本くんを待ってたって、きっと来ないから諦めたら？」

冷たい声が、刺さるように聞こえた

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