不器用な君。 ◇Jun.M◆ (ページ31)

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３１、救世主ページ31

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和「あーあ、椅子と机に申し訳なかったわー」

「…なにそれ(笑)」

誰も使わない階段にしゃがみこむ二宮くんが、立ってる私を見つめる

…悔しいけど上目遣いがキュート

和「何度も言いかけたけど、前さ、お前言ったじゃん？」

「何を？」

和「…私って潤くんにとって好きな女なのかな、って」

アイス屋さんに行く前のことだ

それが、なに…？

和「ちゃーんと確かめたわけ？」

「え？」

和「困ってる、って言ってたことも、斎藤ってやつと付き合ってるってことも、お前の勝手な負のスパイラルに巻きこんでる気がすんのよ」

負の…スパイラル

確かに…、何ひとつ潤くんには確かめてない

和「何に困ってたのか…、本当にその女と付き合ってんのか…自分のこと好きだったのかくらい、確かめてから別れなさいよ」

「……」

和「どーせ、Aのことだから一方的に別れたんでしょ？彼氏かわいそうじゃん」

「…そう、なの？」

「理由ないまんま別れられたら、俺でも傷つくわ！」

ぷぷって笑った二宮くんが、すって私の横に立った

和「どーすんの。もし別れ話じゃなかったら」

諭すような、優しい声

文化祭の準備で賑わい始める校舎とは別世界にいるみたい

二宮くんと２人きりでいることが、なんだかくすぐったくなった

和「彼氏さんに、ちゃんと確かめに行きなさいな」

ね？って、口元をきゅってあげて微笑む彼は

私の救世主だ

ひねくれてて、悪魔で、意地悪だけど

その負のスパイラルから救ってくれたのは、二宮くんだ

「……うん」

和「よぉし、いい子」

ぽんって頭の上に二宮くんの手の平が乗って、すぐに離れていった

和「この俺が応援してやってんだから、頑張れや」

後ろ姿でそう言うと、二宮くんはスタスタ階段を上がっていってしまった

あ…、きっとこのまま、クラスの出し物サボるんだろうな

ま、いっか

このままクラスに戻るのも気まずいから、私は会議室にこもって…

放課後…、潤くんに会いに行こう

よし、と小さく呟いて、私は会議室に向かった

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翔「ビンゴ～」

智「おぉっ！本当に会えたねぇ」

雅「もぉ！２人とも帰れってば！」

私の隠れ家になるはずの会議室に、先客がいました

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