不器用な君。 ◇Jun.M◆ (ページ22)

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２２、ずるいページ22

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手が、離れない

あったかい潤くんの手

白くて長い指

見つめてみても、離れる気配は一向にない

ドクンドクン、っていう音だけが全身に響いてる

これは…、どうすればいいの？

何か…、何か喋らなきゃ

でも、頭が真っ白になってしまって、そのまま時間がすぎる

潤くんとぱち、と目が合った

潤「…あのさ」

潤くんは、目を逸らしながら呟いた

潤「…今日も一緒に帰れない？」

そして、私をもう一度見る

もう、文化祭３日前なのに

どうして今更そんな話なの？

ずっと一緒に帰れなかったのに、なんで今日言うの？

「うん。委員会あるんだ…、ごめん」

このまま別れたら

委員会がなくなっても、私達は一緒に帰れない

私は潤くんを困らせてるから

これ以上…、迷惑かけられないから

う、泣きたくなってきた

目を見開いて堪えてると、潤くんに添えられてる手の力がぎゅうって強くなった

びっくりして潤くんへ向き直る

潤「待ってたらダメ？」

…何か話したいことでもあるのかな

別れ話かな

だったら、一緒に帰りたくない

「遅いよ…？」

潤「待ってる」

彼は私をじっと見つめた

潤「危ないから」

私にたたみかける潤くん

どうして、そんなに帰りたいの？

「お、遅いときは、先輩送ってってくれるから大丈夫だよ？」

これ以上潤くんに迷惑かけたくない

せめてモノわかりのいい彼女でいさせて？

もし、別れ話だったらどうしようって怖いの

本当は別れたくないよ

さっきまで別れるつもりでいた私のココロが矛盾の気持ちと戦って

別れたくないよって叫んでる

潤「…俺と一緒に帰りたくないの？」

泣きそうな声で言うなんて、やっぱりずるい

ずるいよ

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