その2 十六 ページ20
本当にこいつは失礼な奴だなあ。
確かに僕も人間だ。欠点くらいあっても当たり前なのだ。
例えば、遊びや女の子に夢中で周りを見ていないことや、告白してくれた女の子を振ってしまったりもした。
だが、前者は僕の勝手だろうし、後者は僕にだって選ぶ権利がある。
女の子が告白してくれたのは嬉しかったけど、だからと言って僕はそれをほいほい受け入れる程ではないのだ。
それにしても僕のダメな所なんて片手で数えられるくらいだろう。
しかし、こいつに口出しすると面倒なのだ。
僕は争いは好まない質だから黙っておく。
「そもそもね、あんたは察しが良いの。すっごく細かくて他の人が気付かないようなどうでもいいことにまで目を付けるくらい。
そんでもって、ものすごく物知り。特に女の子の事に関してね」
呆れた様にポツリポツリと話し始める。
どうでもいいことと言うのは言わなくていい気がするけど、何度も言うが面倒なので黙っておく。
「だけどね、あんたはそれと同時にあり得ないくらい自分の内面に関して鈍感すぎる」
「は？そんなことな……」
「黙んなさい！まだ話は終わってないの。自分から聞いといて遮ってんじゃないよ」
僕が否定しよう口を開くとすかさず言葉が飛んでくる。
こいつは弁が立つわけではないが押しが強い。実は僕ですら言葉でこいつに勝ったことは数えるほどしかないのだ。
しかし僕は確かに、自分のことで理解していないことがある節は多いが自分の感情くらいはわかるだろう。
「あんた自分でそんなことないって言うけどそういうとこよ。自分では気付いてないようだけどあんたは自分自身のこと何にもわかってないの。
実際、今もそんなわけないって思ってんでしょ」
痛い所を突かれ声も出ない。
どうしてこいつは僕の思ったことがわかるのだろうか。
「うん、十分わかったから止めて。もうお腹一杯」
淀みなく淡々と言葉を並べる優稀を耐え切れず制止する。
よくあれだけの話で僕の心をここまで抉れるな。
流石というべきなのか……
「今日は随分素直ね」
「うん、僕ももう14だからね。否定ばっかじゃないよ」
僕が自分のことに鈍感だということはもう十分わかった。
というかこれ以上こいつの口から聞きたくない。
しかし、これは彼女の話とは別物じゃないのか？
そういうとまた文句を言われそうな気もするけど、僕はどうもじっと黙っているのは苦手なのだ。
それに、態々説明してもらって分からないことを聞かないのは勿体無い。
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八舞(プロフ) - MANA☆さん» コメントありがとうございます。いつもと違う感じのを作ったのでお気に召して頂けたなら幸いです (2016年9月23日 10時) (
レス) id: 6e6efe270e (このIDを非表示/違反報告)
MANA☆ - コメント失礼します!占ツクでは珍しくまともな小説でとっても面白いです!!更新頑張って下さい(*^^*) (2016年9月15日 21時) (レス) id: 474683ec26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八真生 | 作成日時：2016年8月24日 16時
