幼 馴 染 み 卒 業 希 望 【東海オンエア】

じゅういち ページ12

お会計を終え、お店から出る。
家までの道を2人で帰るのは、久しぶりに感じた。

り「そっかー、Aにも、好きな人がいるのか」
『まだ言う?それ笑』
り「ねぇ、ほんとに誰なの？」
　「ヒントとかないの？」
『内緒って言ったら内緒！』
り「ちぇー。」

あ、と思い出したように
りょうが言う。

り「ね、俺の彼女の話は聞かないの？」

心臓がヒヤッとした。
なんでそんなことを聞くんだろうか。
顔の引きつるのがわかった。

『いや、りょうから言わないから、』
『あんまり深く聞かないほうが良いのかなって』
り「さすが、俺の幼馴染み。わかってるー」
　
そう言って、りょうは黙る。
斜め後ろからは、よく顔が見えない。
一体何がしたいんだろう。
そこから、私の家までは無言が続いた。

『じゃ、家ついたから』
『今日はありがとね。』
り「うん。」
『また明日ね』

少し間があく。

り「もし。もしも、Aに一生彼氏ができなかったら」
　「俺がもらってあげるから、安心してね。」
『は？』
り「じゃあね」
『え、ちょ、な…に？』


意味が分からない。
意味が分からなすぎる。
昔からちょっと変わった奴だったけど、
今日の言葉は謎すぎる。
てか、そもそもお前いま彼女いるだろ。
何がもらってあげるだよ、馬鹿野郎。


で も 。

そんな言葉で喜んでるのは誰？

そんな男を好きなのは誰？

その男の隣に立ちたがってるのは、誰？

福 尾 亮 という男の恋人になりたいのは？


そ う 、ア タ シ だ 。

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