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高3_冬
卒業式が終わった。
私の青春時代が終わった。
あの夏から、りょうとはあまり話さなくなった。
一緒に歩いていた女性が彼女ではないかという噂が拡がり、
すっかり彼女持ちというイメージがついてしまったりょうのことを
私から、自然と避けるようになってしまったのだ。
卒業式が終わって、1人で校舎を周った。
グラウンドで皆と初めて会った日のことを思い出していると
小柳津が皆を連れて来た。
てつや「卒業しちまったな」
ゆめまる「うん〜。でも、ほら皆また岡崎やん」
言わなきゃいけない。あのことを。
『…ごめん。皆。私、言ってないことがあって。』
『私、春から上京するの。東京の大学に進学するの。』
りょう「は?嘘やん、それは。」
ゆめまる「なんで、言ってくれなかったの!?」
『皆に言っちゃえば、もっと悲しくなると思って…。』
長いようで短い沈黙を破ったのは小柳津だった。
てつや「まぁ、もう決まってることなんだろ?」
「寂しいけど、応援する!頑張ってこいよ!」
『小柳津…。』
ゆめまる「そうだね〜。てつやの言うとおり。行ってらっしゃい!」
りょう「辛かったら、いつでも帰ってきなよ」
『ありがとう!私、頑張るから!』
.
.
.
大好きだった。あなたのこと。
でも、離れるから。届かないから。
この気持ちは伝えないよ。
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作者名:妃 | 作成日時:2019年9月29日 2時