Brighter Moment (ページ20)

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川尻 side

初めて洸人に会った時は、またなんで奨くんはこんな子を…なんて思ったもの。

髪の毛はもうプリンになっていて、金髪と黒髪が混ざっていた。

タバコの匂いとか、酒の匂いとか、明らかに子供らしくない匂いを放っていた。

でも、奨くんが洸人を連れて帰るとLINEしてきた時から、相当の覚悟があったんだと思う。

そう思うと、俺も頑張らんとな、なんて思っていた。

柾哉と2人で玄関に向かうものの、最初は新しい子！なんてちょっと楽しみそうにしていた柾哉だったけど、洸人の様子を見た瞬間、分かりやすくガッチガチ。

挨拶返してくれただけ良かった。

家に通して、部屋をとりあえず渡してから、柾哉とリビングへ降りてくる。

『なんで柾哉話しかけないん〜笑』

柾「だってだって、！無理だって、！！」

『これから一緒に過ごす事になるんやから、仲良くする事！』

柾哉の折れたような返事を背に、なかなか下に降りてこない洸人の様子を見に行くことにした。

『洸人〜…やめなさい。』

部屋に入ると、タバコに火を付けている洸人。

慌てて取り上げようとした時に、手に熱いものが触れる。そして、それが床に落ちて、床に軽く火が点る。

『柾哉！！！水持ってきて！！！はやく！！！』

洸人の部屋から大声で呼ぶと、柾哉がペットボトルの水を持って走ってくる。

柾「はいっ！…ね、なに、」

水を持ってきてくれた柾哉もその様子をみて唖然とする。

ヒリヒリする手も忘れて、ペットボトルの水を火のついたタバコと床にかける。

『ふう…よかった、、』

柾「走ってよかった、、」

『柾哉ありがとうね。今日の夕飯は柾哉の好きなものを食べよう。』

柾「洸人くんの好きな物食べよう！」

『もう…ほんっとに柾哉って子は…！笑』

柾哉をちゃんといい子いい子した所で、柾哉はリビングに戻るように言う。そして、洸人に向き合う。

さすがに焦ったのかバツの悪そうな顔をする。

『俺が言いたいこと分かるよね？』

だんまりを決め込む。

『まず、ここはタバコ禁止。というか、そもそも中学生は酒もタバコも禁止！絶対ダメ！』

またまた反応無し。

『反抗的な態度ばっかとってたら、どうなるか知らんけんね。俺はもう洸人の第2の親になるんやから、優しいばっかやないからね。ダメな事はダメ。本気で怒るけん。奨くんは甘やかすと思うけど！』

なんか言ってくるかなとか思って、構えていたら、洸人の頬に一筋の涙が溢れた。