耳 ページ7
夢主side
恐怖で気絶した善逸の耳と私の勘、感覚で鬼を探していた私たちだったが、
「ウギャアアアァアア゛ア゛！！！！！」
どこからか聞こえてきた声に善逸は耳をやられ、感覚もつかめなくなっていた。
鼓膜が破れるほど大きな声ではなかったのだが、
「ぁ.......ぅ゛ぁ゛.......」
私より耳がいい善逸は地面にうずくまって呻き声を上げていた。
『！！善逸！？！？』
「ぅ゛.....？ぁ゛......A....？」
『そう。私。A！！だよ』
大声を出さないように小声で名前を強調して言ったら、
「ごめ....多分おれ..........あしでまといになる....」
眠りながら戦う善逸にとって、耳が無くなるのは普通の人間でいう目と耳などの視覚、聴覚が無くなる事に等しいのだ。
ここはどうすべきか。
そうだ。
『..........起きて、善逸』
昔、じいちゃんの所で朝、善逸を起こすときに言った言葉をもう一度繰り返す。
『起きないと...ちゅー、しちゃうよ』
これは善逸が全く起きない時に言う言葉。これを言うと善逸は羞恥心と女好きのおかげですぐに起きる。魔法の言葉。
でもその代わり、私は恥ずかしい思いをしなきゃならないけど。
「！A？」
『(あっ、良かった。起きたみたい)』
「......？みみ...あんまし聞こえない...」
『いろいろあって耳やられちゃってるみたい。ね、善逸』
「.....なに？」
『自分の目で見て、恐怖に勝てる？
「.............戦う」
「やる。俺やる。がんばる。」
『......その意気だよ』
またひとつ、善逸は私を抜かして行った。
昨日更新あまり出来なかったので、いっぱい書いて見ました！お気に入り等してくれると活動源になります。←？ありがとうございます！
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作者名：せきとのおへや | 作成日時：2020年10月27日 2時
