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side 西山
あったかい
何となく、包丁の音が聞こえて、誰かが何か作ってるのかなー、なんて
ん、誰かって誰だ
僕は一人暮らしだし、昨日は家に誰も呼んでいないはず
ゆっくりと瞼を開ける。まず目に入ったのは真っ白な天井。右を向くと厚めのカーテンは横に寄せてあり、薄めのカーテンが1枚窓にかかっている
僕の家じゃない
「あ、西山さん、起きた?」
止まった包丁の音と、聞こえてくる誰かの声
西山「へっ、あ、Aちゃん!?」
「?、うん」
西山「なんでAちゃんが此処に……?」
「何で、って此処私の家だから」
そう言われて声が出ないほど驚いてしまう。辺りを見回すといつもの見慣れた人達がブランケットにくるまって寝ている。昨日は確か飲み会をしたはず………
そうか、完全に理解した。僕達は酔っ払ってそのまま寝たのだろう。だから、昨日の記憶が途中から無い。近くには増田くんも寝ているから僕達が寝た後に来たんだろう。
「朝ごはん、もう少しで作り終わるから皆のこと起こしといて」
お願い、と言われとりあえずすぐ傍の増田くんを起こす。割とすんなり起きて「西山くんおはよう」と言われる。おはよう、と返し江口さん、梅ちゃん、なっちゃん、壮馬を順番に起こしていく
梅ちゃん、なっちゃん、壮馬は現状を上手く理解していないみたいで、Aちゃんと僕を交互にきょろきょろと見る
花江「えっ、あ、Aちゃんのい、家???」
「皆同じ反応ですね、とりあえず、朝ご飯食べましょうか、作りましたから」
そう言われテーブルの上を見ると炊きたてであろうご飯と味噌汁、焼いたベーコンとスクランブルエッグが並べられていた
ご飯を食べながらAちゃん、江口さん、増田くんから昨日の事を聞く
僕達が酔いすぎて帰れなかったこと、終電が終わる頃まで飲んでいたこと、一番家の近かったAちゃんの家に全員で泊まったことなどなど
とりあえず、昨日酔いまくって記憶が無い僕となっちゃんと梅ちゃん、壮馬が言える事は一つ
「「すいませんでした!!!!」」
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作者名:雪華 | 作成日時:2021年11月28日 2時