真夜中の校舎探検 ページ1
＊
・天羽ねる
・鶴御直折
・弗蘭充凰
・烏間晴翔
・幻野藍火
・夏咲羽優
＊
「ね、ねえ、みんな！」
夕食が終わり、皆が部屋に帰ろうとしていた時、ねるがそう切り出した。
「ねるちゃん、どうし…あ、直折、危ないよ」
「ん〜？あれれ。…危なかった！ありがと〜！」
「で、どうしたんだ？天羽」
つまずきそうになった直折を支える充凰に代わり、晴翔が聞く。
するとねるは少し下を向いて
「あ、あの、実は…」
＿＿＿
「幽霊が出る？」
素っ頓狂な声を上げた晴翔に、ねるは至極真面目に頷いた。
「は、はい。夜のが、学校。女の人の歌声が聞こえてくるらしいん…っです。それで初等部の子がこ、怖がってるって」
「え、じゃあ探検とかしてみる？楽しそう」
にこにこ笑う充凰に
「さんせ〜！」
と直折が右手を上げ、校舎探検が決定した。
＿＿＿＿
「本気で行くのか…？いや、怖くないんだけどな」
晴翔が言った。既に10回は言ったのではないかという問いに
「行くよ〜！楽しみ楽しみ！」
と毎回同じ返し方をしてはしゃぐ直折をみて晴翔は苦々しげな表情だ。
怖いのだろうな、と察しの良い充凰と藍火は感づいていた。
そもそも晴翔が参加したのだって
「じゃあ私とミオちゃんはけって〜〜！ハルトくんは行く〜？」
「行かない。危ないからな。」
「怖いんだ？」
「…っ怖くない。面倒くさいだろ、普通に。幽霊なんて実在するわけないのに」
「そっか！怖いんだね〜、分かった！ヒーローナオが退治してくるから待ってて！」
「怖くねぇよ！…いいよ俺も行ってやるよ！」
「え、ホント⁉やった〜〜！」
という割と珍しい晴翔の負けず嫌い発動の結果なのだ。つまり図星なのである。
「ねるちゃんちょっと着いて来たさそうだったね〜！初め嫌がってたのに、どうしたんだろ」
「いや、それはね…」
察しが悪い羽優に苦笑しかけた充凰だったが
「着いた！？行こ〜〜〜！ナオ、大活躍しちゃうぞ〜！」
と言いながら全力で壁に向かって走っていく直折を止める必要が出てきたため中断した。
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