黒雪姫と9人の王子

Fantasy 44 ページ44

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遠い昔の記憶は
お互いによき思い出であり、トラウマでもある。








ただ愛して愛されているだけなのに
人々の目を気にして生きる生活









俺は周りから庇われ、
心配の声も沢山かけられた。

ありがた迷惑...いや、ただの迷惑だ。









一方 Aは母親の目に届かぬよう、
いつも森の奥で静かに俺の帰りを待っていた。

が、Aをよく思わない人間たちが毎日のように訪れて Aを脅した。



「 王子に近づくな 」

「 その首を切り取ってやる 」

「 悪魔はこの森から出ろ 」




どれだけ傷ついたことか。










俺も 必死にAを守った。
けど、Aはいつも笑顔で
「 大丈夫だよ 」
と涙を浮かべた。









... そんな過去がトラウマになり
心を閉ざしたまま あっちの世界へ送り込まれたんだ.. 。









涼介「 俺といることで 過去を思い出すかもしれない、また 傷ついちゃうかもしれない。

..でも 俺はAが好きだ。


昔も今も..
なにも変わらない。

また人に脅されるんだったら、
脅される前に俺がそばにいる。


酷いことを言われるなら、
俺が幸せを贈る。


俺と一緒にいることに批判を受けたら、
親との縁を切ってもいい。




どんなときでも Aを１番守れるのは 俺だけだ。」









ゆっくりと涙を拭き、
俺を見上げた。









『 涼介の言う事が本当なら..
いつまでも貴方のそばにいる。

不安だらけだし、家柄にも大きな違いがある。

未だに感情がハッキリとは思い出せないけど、沢山の感情を教えて欲しい。


..涼介に。 』









涼介「 仰せのままに.. 黒雪姫 」












真っ黒なプリンセスの唇に
そっと口づけをした。


















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