黒雪姫と9人の王子

Fantasy 33 ページ33

【 Side：Yuya 】








うわ.. 超久しぶり...









俺らがなぜこの世界から消え、
“ あっちの世界 ” に放り込まれたのか。

なにも知らないけど 。


...俺、王子って柄じゃないし..









黄色と青が基調とされているこのお城

さすが パパとママだわ。


..マザコンじゃねぇぞ。









父親 野獣
母親 ベル


この2人から生まれた俺

..だから 赤いバラだったんだ。


そっと 左人差し指のリングに触れた。


















裏庭の方へ行くと
赤いバラが沢山あった。

その中でバラを黒色に塗っている
少女を見つけた。

..警備員とかいねぇのかよ。











雄也「 おい、なにやってんだよ。」








ちょっと低めに声をかけると
びくり ともせずにこちらを向いた..






Aちゃん









雄也「 Aちゃん？！

お前.. ここにいたのかよ！」




『 雄也くん。

まだ私のこと思い出してないの？


私..悪役の娘だよ？』




雄也「 え.. 」









眉を下げ、悲しそうに笑うAちゃん。

その表情とは裏腹に楽しそうに バラを黒く染めていく。












『 思い出したら..また 遊びに来るよ。』









悪い笑顔で 消えてしまった。

..Aちゃんが 悪役...


こんなの みんなに言えるはずない。

どうすりゃいい.. ？









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