【名探偵コナン】灰色レモネード【アンナチュラル】

07/ウィルス感染* ページ8

「え、同じクッキー持ってた人が突然死したんですか!?」
「そうなんだよ〜〜!!しかも両方から毒物は検出されなかった!!」

ゆかりんという愛称で呼ばれる方も同じクッキーを持っており、しかも高野島さんが亡くなった翌日に突然死した。神倉さんは稀にある偶然、と言っていたが三澄さんは納得がいってない様子だった。

「名前のない、毒か⋯⋯」

中堂さんに聞いても知らねェと突っぱねられてしまい、泣く泣く定時で上がったが恐らく三澄さんは遅くまでラボに居るつもりだろう。
私も出来る限り家で調べよう、そう思い帰宅後すぐにパソコンに目を走らせる。

「⋯あーー、やっぱり出ないかぁ」

元々資料が少ないうえに、中堂班には下りてない仕事だ。手伝える事があればと思ったがあちらも手こずってるのだから、進展なんてあるはずもなく⋯翌朝、テレビを付けるとワイドショーではMERS感染症の話題で持ち切りだった。

「MERS感染症だったんですね⋯」
「Aもニュース観たんだ⋯」

疲れ果てた三澄さんを見て居た堪れなくなり、目を逸らす。高野島さんが原因とされたMERS感染症、葬儀に行ったらしい三澄さん曰くマスコミでごった返しており、家族共々中傷の被害。
これだからマスコミはマスゴミと言われるのだ。人が死んだ時面白おかしく報道し、被害者だけでなく加害者となった家族諸共傷付ける。その癖、報道は自由と豪語していて、政治家問題も然りと自由が許されてるからと言い正義という建前を振り翳す独裁者。

「あれ、中堂さんは?」
「見てなーい」

また寝てるのだろう、そう結論付けてた時久部君や東海林さんが現れた。ホワイトボードには“高野島渡の行動”と書かれており、神倉さんも疑問にも思ったのか三澄さんに聞いている。

「高野島さんはキスが大好きだったそうです」
「それどうやって聞き出したの!?」

神倉さんが言う通り、どうやって聞き出したんだ⋯⋯。と三澄さんを見つめたが、スルーされ馬場さんという女性はMERS感染症に感染しておらず、高野島さんは“加害者”ではなく“被害者”。

「病院で、移された⋯⋯?」
「そういう事」

私の言葉に三澄さんが同意し、その病院にはウィルスの研究室チームがあるらしく何らかの原因でウィルスが流出。それが高野島さんに感染してしまった。その病院ではココ最近奇妙な事に死亡者が急増しているのも踏まえて、やはり高野島さんは被害者になるのだ。

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