40/花と三毛と白夜* ページ40
「⋯っ、痛⋯⋯!?」
ーー此処は何処だろうか。
両手両足は黒い結束バンドで拘束されており、動かそうにも動かせない。鞄が近くにない事から恐らく私を襲った犯人が持ち去った事に間違いはないだろう。
「大丈夫、ですか?」
か細い少女の声が聞こえ、その声がする方へ体を向けると同じく拘束された少女がいた。
だが、少女の身体には無数の痣が斑模様に付けられており長時間暴行を受けた跡だった。
「⋯誰?」
「花、です⋯。あの、三毛ちゃん見ませんでしたか?」
“花”と名乗った少女は三毛ちゃんという子を探しているらしい。花という言葉に、もしかしてあの手紙はーー⋯!?
「貴方が花ちゃん?じゃあ、あの子が⋯⋯」
「三毛ちゃんを知ってるんですか!?」
「⋯知ってます。私はUDIラボという場所から来ました。宮原Aと言います」
「み、三毛ちゃんは大丈夫なんですか?」
「⋯私の職業は、解剖医なの。貴方の言う三毛ちゃんとはそこで出会いました」
私がそう言うと薄らと張り詰めていた涙を蓋が外れた様に流し始める花ちゃん。彼女は三毛ちゃんと約束していたそうだ。白夜という、日が沈まない国に一緒に行こうと、そんな少女達の約束を犯人は切り裂いた。
「三毛ちゃんは必死に貴方の助けようと手紙を飲み込んだ。貴方な事がとても大切だったんだよ」
「っ、三毛ちゃ⋯⋯」
声を漏らしながら泣く花ちゃんの元に犯人が現れた。おそらくこの男が三毛ちゃんが手紙で伝えようとした⋯⋯。
「貴方が雪男⋯⋯」
「あ?だったら何だって言うんだよ!!」
こんな男に三毛ちゃんや花ちゃんは必死に恐怖を押し殺し、白夜を見ようと夢見ていた。
「貴方のせいで⋯っ、こんな小さな少女達の命が⋯⋯!貴方、命をなんだと思ってるのよ!!」
「コイツらが死にてぇって願ったから殺してやったんだよ!!グダグダ抜かしてんじゃねーぞ!!」
頬に目掛けて拳が飛んできて、私の身体は地面にねじ伏せられた。そこからはひたすら暴力と罵声が浴びせられ、そのまま意識を失った。
161人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【ハイキュー×黒バス】悪童の弟はキセキの世代でした(男主)part2
【黒バス×ハイキュー】君を見付けたあの日 俺は恋に落ちていた 4【黄瀬 涼太】
もっと見る
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すず(プロフ) - みおおおんさん» コメントありがとうございます!!あむぴのかっこよさと中堂さんの大人の色気を出したくてひたすら試行錯誤してます笑続編も頑張ります!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
みおおおん - この作品大っっ好きです!!!中堂さんほんと好きヤバイ。あむぴもめっちゃ好きヤバイ。文章上手すぎて「天才だなすずさん…」と気が付いたら呟い てましたねハイ。もうほんっっと好きです!!!続編頑張って下さい!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: 3fa6fc4c4d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 雪音さん» 私も大好きなドラマでした!!もう私得の設定です(笑)こちらこそコメントありがとうございます! (2018年5月30日 1時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - アンナチュラル大好きだったので嬉しいコラボ設定♪楽しい作品ありがとうございます (2018年5月30日 1時) (レス) id: d6733d2a33 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はゆさん» 間違えてました!!すみません!! (2018年5月29日 22時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ