【名探偵コナン】灰色レモネード【アンナチュラル】

28/冷たい拳銃* ページ28

「どう?納得して自首する気になった?」

彼女は納得していた、だが推理が一つ間違えていたと指摘する。それは樫塚圭の部屋から持ち出したのは二丁のみでもう一丁は彼女の知り合いから護身用に譲り受けた偽物。

「⋯まさか⋯⋯!!」

手川さんが残りの拳銃を所持している、そう思ったのもつかの間突然助手席の扉が開き残りの強盗犯の一人、手川隆代が乗り込んできた。

「そこまで知られてたら黙って帰す訳にはいかないねぇ⋯⋯!まさか、もう一人乗ってるとは人質が増えて好都合だよ」
「コナン君⋯⋯!!」
「や、やっぱり貴方が⋯⋯」

手川は浦川さんに拳銃を突きつけ、車を出せと要求。浦川さんが恐怖で動けなくなっていると、発砲し更に脅しにかかる。

「きゃあ!?」

鞄の中には催涙スプレーがある。だけど拳銃を所持している相手に迂闊な真似は出来ない⋯!!
こうして強盗犯を乗せた車は王石街道を進む。ちらりとサイドミラーを見ると、赤い小型車が見えた。

「動くんじゃないよ!!」

カチリと額に当たる冷たい感触。
何秒経っただろうか、未だに走り続ける車内に一つのじっとりした汗が零れ落ちる。

「人質は少しでも多くと思ったけど⋯ガキは足手纏いになるからねぇ⋯⋯!!」
「っ、コナン君!!」

引き金が引かれると思った瞬間、隣からけたたましいエンジン音が聞こえ目の前に真っ白な車が真横に止まりそのまま浦川さんが運転する車が突っ込んだ。凄まじい衝撃音に浦川さんはエアバッグが膨らみ気絶し、私も軽い脳震盪を起している。

手川は悪足掻きをする様にコナン君を引きずり下ろしそして、目の前から消えた。いや、この言葉は語弊がある。
正確に言えば“バイクで顔面を殴られ飛んで行った”。

「良かった〜〜!!無事だったか〜〜!!」

女の子の声⋯⋯??
やばい、頭を何処かで強く打ち付けた。軽い脳震盪といえど衝撃はあったらしく意識が朦朧としてきた。

「A!!」
「ふ、⋯や⋯⋯く、ん」
「大丈夫ですか!?」

駄目だ、聞こえない⋯⋯。
プツンと私の意識はそこで途切れたのだった。

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