18/腐敗臭の行方* ページ19
「樫塚さん、この道で合ってます?」
「え、ええ⋯」
樫塚さんが困惑するのも無理は無いだろう。何故ならこの車に私を含めて六人だ。コナン君は蘭ちゃんのお膝の上である。
「⋯電車乗ればなんとかなると思ったのになぁ」
「宮原先生、電車なの?」
ポツリ零れ出た本音をコナン君に聞かれてしまったらしい。歩いて帰れると言った手前、言いづらかったのだが、私の家は杯戸町のマンションだ。つまり隣町を歩いて帰れる距離と偽った。
「やはり送った方が良かったでしょう?」
「あっはい」
有無も言わせぬ威圧に縮こまるしかない。
コナン君、呆れてないで助けてくれないかな!!
「宮原先生と安室さんってどういう御関係なんですか??」
「蘭ちゃんが期待してる様な関係では無いよ」
安易に元彼です。なんて言えないし、と内心ヒヤヒヤしていると降谷君が爆弾を投下した。
「強いて言うなら僕の片想い、でしょうか?」
「はっ!?」
突然の言葉に目が点になる私とコナン君。
その後微妙な空気のまま樫塚さんのマンションへ着くと、誰も待ち伏せてない事が分かり解散という流れになった時だった。コナン君はトイレを我慢していたらしく、便乗する様に彼も同じくトイレに行きたいと言った。
「お、お姉さん!!トイレ貸して〜〜!!お、お願い、もう我慢出来ない〜〜っ!!」
「え、ええ⋯ちょっと待ってね⋯」
“あの時”のコナン君とは似ても似つかない言動に呆気にとられていると、扉が開た瞬間嗅ぎなれた匂いが鼻につく。
ーーこの臭い、腐敗臭?
UDIラボでは日常的に嗅ぐ死体独特のモノで嗅覚が優れてる人もしくは死体の臭いを嗅ぎ慣れてる人間にしか分からない微量の臭い。
「じゃあ、皆さん少し寄って行きます?お茶ぐらいしか出せませんけど⋯」
「すみません、圭さん⋯」
この部屋、少し調べる必要がある。そう感じた私はポケットから手袋を出し嵌めていく。すると、コナン君がトイレから物音も立てずに戻って来た。
「宮原先生も感じた?」
「⋯⋯コナン君、やっぱり君わざとね」
「ご、ごめんなさーい⋯」
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すず(プロフ) - みおおおんさん» コメントありがとうございます!!あむぴのかっこよさと中堂さんの大人の色気を出したくてひたすら試行錯誤してます笑続編も頑張ります!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
みおおおん - この作品大っっ好きです!!!中堂さんほんと好きヤバイ。あむぴもめっちゃ好きヤバイ。文章上手すぎて「天才だなすずさん…」と気が付いたら呟い てましたねハイ。もうほんっっと好きです!!!続編頑張って下さい!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: 3fa6fc4c4d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 雪音さん» 私も大好きなドラマでした!!もう私得の設定です(笑)こちらこそコメントありがとうございます! (2018年5月30日 1時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - アンナチュラル大好きだったので嬉しいコラボ設定♪楽しい作品ありがとうございます (2018年5月30日 1時) (レス) id: d6733d2a33 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はゆさん» 間違えてました!!すみません!! (2018年5月29日 22時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
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