16/奇妙な携帯電話と持ち物* ページ17
「携帯電話といえば⋯この男の携帯、妙なんだよ⋯」
「妙とは?」
警部さんの言葉に毛利さんが聞くと、樫塚さんを装って“会う場所を変えたい”という毛利さんに宛てたメールは送信履歴にあるが、それ以外のメールは全て無いらしい。
「あ、あの男の人⋯その後のメールは私の携帯を使って送ってましたから⋯」
付け足すように樫塚さんは証言をする。
だが、もっと奇妙なのは電話帳も真っ白でありそれ程新しい機種でも無い。だが毛利さんは安く買ったのでは?と言っていたが、警部さん曰く男のポケットに入っていた小銭や財布も引っかかるらしい。
「樫塚さんから奪った例のコインロッカーの鍵ら、スタンガンやタバコのライターと一緒に⋯上着のポケットに入っていたんだが⋯」
ーー小銭は全部で五千円近くあったんだよ。
と、警部さんが言うと蘭ちゃんはジャラジャラして重いんじゃ⋯?と疑問符を並べた。
「ああ⋯しかも財布の中身は一万円札が二枚と五千円が五枚⋯千円は何と四十七枚⋯妙とは思わんかね?」
「た、確かに⋯」
妙というより、もはやおかしいレベルだ。
仮に札束を崩したとしても、そんな大金を持ち歩く男が何故犯罪に走るのか。コインロッカーの中身がそれほどの価値があるとしても、大金を持っているのなら自力で調べ挙げれるはず。
「もしよければ、そのポケットに入っていた物というのを見せて頂けませんか?」
「おじさんも見たいよね?」
安室さんとコナン君の言葉に、毛利さんは困惑しながらも同意し警部さんに頼んで持ってきてもらう。
「⋯大丈夫ですか?」
「⋯⋯え、は⋯はい」
疲労困憊している樫塚さんに話し掛けると、やはり右耳は聞こえづらいのだろう。少しの間があったが近くに居る私の声は辛うじて聞き取れるらしい。
「少し落ち着いたら、ちゃんと耳鼻科へ一度見てもらってください。耳というのは人間にとっても大切な一部なんです」
「⋯はい。お医者様なんですか?」
「ええ、一応ですけど」
今は違うのかと言われたら、違うのかもしれない。今の私は、死体と向き合いその人の死因と最後の声を聞く仕事だから。
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すず(プロフ) - みおおおんさん» コメントありがとうございます!!あむぴのかっこよさと中堂さんの大人の色気を出したくてひたすら試行錯誤してます笑続編も頑張ります!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
みおおおん - この作品大っっ好きです!!!中堂さんほんと好きヤバイ。あむぴもめっちゃ好きヤバイ。文章上手すぎて「天才だなすずさん…」と気が付いたら呟い てましたねハイ。もうほんっっと好きです!!!続編頑張って下さい!! (2018年7月5日 15時) (レス) id: 3fa6fc4c4d (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 雪音さん» 私も大好きなドラマでした!!もう私得の設定です(笑)こちらこそコメントありがとうございます! (2018年5月30日 1時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - アンナチュラル大好きだったので嬉しいコラボ設定♪楽しい作品ありがとうございます (2018年5月30日 1時) (レス) id: d6733d2a33 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - はゆさん» 間違えてました!!すみません!! (2018年5月29日 22時) (レス) id: eee4895209 (このIDを非表示/違反報告)
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