【名探偵コナン】灰色レモネード【アンナチュラル】

12/事件発生* ページ13

「⋯皆さんお静かに⋯⋯」

依頼主に会う為、私達探偵事務所から出た瞬間降谷君⋯今は安室さんと呼ぶべきか。安室さんが口元に人差し指を当て、言った。
安室さん曰く、依頼主を毛利さんに会わせたくない人物が“偽メール”を送り、探偵事務所に誰も居なくなった後に依頼主と落ち合った可能性が高いと⋯⋯。

「その証拠に⋯このドアには鍵をこじ開けた様な痕跡があり⋯台所の食器棚の中には僅かに濡れたティーカップが入ってました」

蘭ちゃんの性格からして、彼女は食器を濡れたまま食器棚へ戻さない事と出掛ける前に毛利さんが落としたタバコの灰が綺麗に拭き取られていた事を踏まえて誰かが毛利探偵事務所に侵入した。

「で、でも何でそんな事⋯コインロッカーを探してもらいに来ただけなのに⋯」
「そのロッカーにとんでもねぇ物が入ってるんじゃ⋯⋯」

確かに、ただのロッカー探しならこんな真似をしない筈。そのとんでもない物によっては、警察沙汰になるかもしれない⋯⋯。

「さぁ、それは⋯本人に聞いてみましょうか⋯」
「⋯もしかして、まだ?」
「多分。安室さんの推理と僕の推理が合ってるなら、居るはずだよ」

思わず漏れ出た声にコナン君も同意している。
物凄く嫌な予感しかしない。
毛利さんがトイレに行こうとした時やコナン君がトイレに行きたいと言った時にメールがタイミングよく返信が来た。それはつまり、トイレに来させたくない何かがあること。

「それに、宮原先生も気付いていたと思うけど⋯トイレの前に何かを引きずった様な跡が付いてたよ!!」
「えぇ!?」
「恐らく、その誰かは何らかの理由で依頼人を連れ込み、まだ隠れているんですよ⋯」

ーーあのトイレの中にね、と安室さんが言った瞬間一発の銃声が鳴り響いた。

「ん〜〜ん〜〜!!」

トイレの中に女性がガムテープで縛られており、その便座の上には一人の男が息絶えていた。トイレの壁にはその男の物と思われる大量の血痕が飛び散ったまま⋯⋯。

「⋯毛利さん、警察に通報を」
「み、宮原先生?」
「⋯彼女は恐らく簡単な検死をするんですよ。本業は法医解剖医ですが」

拳銃によるショック死、喉元を貫通しているから⋯即死。男の年齢は、低く見積もっても30代だろう。

「⋯検死の結果は?」
「見ての通り、拳銃の弾によるショック死。喉元を貫通しているからほぼ即死で間違いないと思います」

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