【名探偵コナン】灰色レモネード【アンナチュラル】

11/貴重な休日の時間程瞬く間に消えるよね* ページ12

そろそろお暇しよう。
そう考えた私はおもむろに立ち上がろうとしたら⋯⋯。

「宮原先生も一緒にどうですか?」
「え?」

は、話聞いてなかった⋯。
コナン君曰く、探偵事務所に戻るらしい。途中までなら一緒の道だし探偵事務所前で別れる事にした私は彼等と道を戻す。

「へぇ、警察の人から司法解剖を依頼されるんじゃなくて一般の人からも依頼されるんですね!!」
「そうなのよね⋯。特に不可解な死ほど司法解剖してみないと分からないことが多いでしょう?毒は特に、丁寧に調べないといけなくてね」

もし興味があるのなら是非ともバイトしてほしい。安いけど、なーんて冗談めかして蘭ちゃんと話していると探偵事務所が見えてきた。

「じゃあ、此処で⋯」
「少し待ってください」
「は、い?」
「法医解剖医という仕事の話をもう少し聞きたくて、駄目ですかね?」

ーーなんか、めんどくさい事に巻き込まれそうな予感。私としては残り少ない貴重な休日の時間を家で過ごしたい、という願いも虚しく毛利さんにも聞きたいと言われてしまい私は泣く泣く貴重な休日を捨てたのだった⋯。

「って、誰も待ってねーし⋯」
「ホントだ⋯」

探偵事務所内は誰も居らず、不気味な静けさが保たれていた。毛利さん曰く、メールで戻ると送ったらしいが未だに返信は無し。

「⋯引きずった跡?」

床に付いた不自然な跡に気付いたと同時に依頼主からのメールが届いた。隣に居た降谷君も跡に気付いたらしくじっと見つめている。

「たった今、コロンボに着いたから来てくださいって⋯」
「だったら早く行かなきゃ!!」
「あ、ああ」

毛利さんがメールを打とうとした時、コナン君がトイレに行きたいと言うと更に追い討ちをかけるようにメールが届いた。

違和感を覚えつつも、成り行きを見守っていると⋯“急いで皆で来てください”か、まるで私達を此処から連れ出したいと言わんばかりの内容だ。

ーー事件が起こるまで、あと少し⋯⋯。

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