雨涙07 ページ8
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貴女side
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平野くんに『 好き 』と言われて
正直戸惑ったし、冗談でしょって思った
それでもそんな感情よりも一際大きな
自分の感情に驚きを隠しきれなくて
気付いたら涙が出てた
平野くんに誤解されないように空き教室を飛び出したのはいいけど
余計誤解させたと今更気づいて
一人階段の隅っこで後悔する 。
樹亜「 A !! 」
「 じゅり … あ ? 」
樹亜「 びっくりするじゃない !!
どれだけ待っても帰ってこないし 」
走ってくる樹亜の額には
うっすら汗が浮かんでいて
「 う … うう 」
樹亜「 え? A !? 」
「 ううう … っ … 樹亜 〜 … 」
樹亜「 うおっ 」
仰け反りながらも
私をしっかり受け止めてくれた樹亜の胸に顔を埋める
何も知らない筈なのに
“ 大丈夫 ” そう言って背中を摩ってくれた
樹亜のおかげでなんとか正気を取り戻す
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樹亜「 んで、紫耀と何があったの? 」
「 … あのね 」
それから私は樹亜に合コンを抜け出した後から
さっき平野くんに告白された事まで
全て包み隠さずはなした。
その間樹亜は
相槌をうったり難しい顔をしたりしてて
.
樹亜「 あのさ、ちょっとキツいかもしれないけど 」
「 うん ? 」
樹亜「 あんた紫耀の事どう思ってんの ? 」
「 … え? 」
樹亜「 好きでもない男とAはキスすんの?
Aはどうして紫耀のキスを受け入れたの ?」
「 … っ 」
馬鹿だわたし 。
最初から気持ちは決まってたのに
そこに辿り着くまでのコースが
あまりにもあっさりで迷ってたのだ
想いに時間なんて、関係ないのに 。
あの時合コンを抜けたのは何故 ?
あの時甘いキスを受け入れたのは何故 ?
_____________「 それは平野くんが好きだから 」
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作者名:二宮あいちゃ | 作成日時:2015年5月28日 20時