雨涙14 ページ15
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貴女side
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紫耀くんと一緒に暮らしだして一週間が経った
異変が起きたのは雨の降る日曜日だった
「 紫耀くん 〜 起きろお 〜 」
もう習慣になってきた
朝の紫耀くん起こし
何時もは声を掛ければ直ぐに起きてくれるのに
今日はどれだけ声をかけても起きなくて
「 … 紫耀くん ? 紫耀くん ? 」
うつ伏せで寝てる紫耀くんの顔を除き込む
「 紫耀くん !? 」
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それからは何も覚えていない
やっとの思いで病院に電話をして
母「 Aちゃん !! 」
「 あ、ごめんなさい …… ごめんな … っ 」
母「 大丈夫 。大丈夫だから 。」
いまきっと一番不安なのは
お母さんなのに
それなのに抱きしめてくれる
温かさが紫耀くんに似てて
甘えてしまう私は
きっとまだ弱いままで
母「 あのね、聞いてくれる ? 」
「 はい。」
悪い予感はしてた
きっと今から言われる言葉はいいものではないと
母「 あの子ね助かるかもしれないの 」
「 え … ? 助かるんですか !? 」
紫耀くんが助かるかもしれない ?
母「 ええ、でも 」
母「 成功者は今のところいないほど難しい手術なの 」
「 い … ない 」
母「 それでも私は受けてほしいと思ってる 」
母「 治る可能性があるのなら 」
母「 丈夫に産んであげれなかった償いをしたいの 」
どうして 、神様は残酷なのだろう
どうしてこんなにも
心の美しい親子を苦しめるの ?
.
手術ランプの消えた扉を見つめる
医者「 すみません親族の方は居ますか ? 」
母「 あ、此処にいます !」
医者「 こちらでお話が 」
母「 行ってくるわね ? 」
「 あ、はい 」
紫耀くんが助かるかもしれない
もしも可能性があるなら
私は私は …………
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作者名:二宮あいちゃ | 作成日時:2015年5月28日 20時