父の日 ページ45
お泊まり保育から数週間が経った。
あれから私の頭を悩ませるものは、父の日。
玲於は休日出勤。私は涼太と2人でおうちでお留守番なんだけど…何をあげればいいか全く検討もつかない
「ままどうしたの?」
『ぱぱ何を貰ったら嬉しいかな?』
「あっ、ぱぱのひ?」
『うん、でも何あげたらいいかわかんなくて』
「ままからもらったらぜんぶうれしいよっ!」
ずっっっきゅん。完全に胸を打たれた
『んもう、りょうたぁあ』なんて気持ち悪い声を出しながらほっぺたにスリスリする私。
『あっ』
閃いた。
涼太に抱きつきながら再び頭をフル回転させ、やっと閃いたひとつのアイデア。
これしかない。涼太よ力を貸してくれ
『よし、涼太!ままと一緒にクッキー作ろう!』
「えっ、くっきー!?つくる〜!」
クッキーが大好きな涼太はクッキーというワードを聞いただけで大喜び
そうとなれば急いで作業に取り掛る
「ままっ、みてみて〜!」
『上手だね〜!』
嬉しそうな涼太の手にはハート型に整形された生地
「へへ、かわいいねえ!」
いやいや、あなたの方が何十倍もかわいいよ。
無言で私は涼太がクッキーを作る姿を連射する
天板の上に整形したクッキーを並べ、オーブンに入れると、あっという間にキッチンに香ばしい香りが広がった。
焼きあがったクッキーを涼太にも少しおすそ分けし、玲於の分は綺麗にラッピングをして玲於の帰りを待つ
「ぱぱまだかな〜」
『ぱぱ喜んでくれるかな?』
しばらくすれば、ガチャリと開くドア。
「ただいま」
「ぱぱあっ!」
『今日父の日でしょ?でも何あげていいかわかんなくて涼太と2人でクッキー焼いたんだけど…』
「まじ?ありがとう」
玲於にクッキーを渡せば、直ぐに開封してクッキーを口に運ぶ玲於
『どう、かな…?』
「……うまっ!めっっちゃうまい!」
「やったあ〜!」
玲於は黙々とクッキー口に運んでいたが、突然食べるのを辞め俯いた
『えっ、ごめん何か入ってた…?』
不安になり私と涼太は顔を覗く
「ぱぱあ、?」
すると突然玲於が顔を上げた
「やばい俺泣きそうだった、笑
なんか涼太とAの手作りとか…感動。」
『えっ笑そんなに?』
「ぱぱなきむし〜!」
『ほんと、ぱぱ泣き虫だね笑』
「うっせ」
そんな泣きそうになる程喜んでくれるとは思わなかったから私まで嬉しくなる
父の日じゃなくても別に作らないこともないからね、なんて心の中で思ってみたり。
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KOKOA(プロフ) - こちらこそいつも楽しみに読まして貰っています!これからも、たくさん書いてください! (2020年4月19日 14時) (レス) id: 9f773ee728 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - KOKOAさん» わ、、本当でした泣 すぐに修正しました。ありがとうございます!( ; ; ) (2020年4月19日 14時) (レス) id: eef90e60b7 (このIDを非表示/違反報告)
KOKOA(プロフ) - 彩りの悪いお弁当の最後らへんです! (2020年4月19日 14時) (レス) id: 9f773ee728 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - KOKOAさん» ご指摘ありがとうございます、すみませんどこのお話か教えてもらってもよろしいでしょうか?( ; ; ) (2020年4月19日 13時) (レス) id: eef90e60b7 (このIDを非表示/違反報告)
KOKOA(プロフ) - 涼太なのに、亮太になってます!(一つだけ) (2020年4月19日 7時) (レス) id: 9f773ee728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご | 作成日時:2020年4月14日 3時