今日から家族

事のきっかけ ページ5

なぜ私がこんな朝っぱらから幼なじみの家を訪問しなければいけないかと言うと、その理由は遡ること数週間前…









この日は仕事終わりに久々に玲於と話しながら帰宅していた所「ひさびさにおばさんに会いたい」









なんて玲於が言い出すもんだから玲於とふたりで私の実家へ行き、私の母の手料理を3人で食卓を囲み頬張っているところだった









「『ご馳走様でした！』」









母の手料理を美味しく頂いた後、私の家には恒例の
夕食後のデザートタイムがある









母が出してくれたりんごを3人で食べながら思い出話に花を咲かせ皆で賑わっていたところ、母がとても気まずそうに口を開いた









「あのね実は2人に話があるの、実は……」









私と玲於は母の話に耳を傾けた









「『再婚だあ！？』」









「うん、そうなの…
お母さん新しい旦那さんを見つけてね、その旦那さんが海外に仕事の関係で行くらしくて、お母さんもついてこないかって誘われてるの…」








私と玲於は小さい頃からずっと一緒、何処へ行くにも何をするにもずっと一緒だった









いわゆる腐れ縁ってやつ









その腐れ縁も影響してか私たちは別にお互い合わせた訳でもないのに就職先まで一緒だ









玲於は就職と同時に一人暮らしを始め、私は母とふたりで実家暮らしをしていた









母は私が3歳の頃にお父さんが病気で他界してから
女手一つで私のことを育ててくれた









そうだよね、私ももういい歳した大人。
いつまでもお母さんに頼っていられないよね









『うん、いいんじゃない…！
お母さん新しいお父さんのところ行っておいで？

今まで私をこんなに立派に育ててくれてありがとう

今度はお母さんが自分のために時間を使って』









「うん、Aありがとう…」









お母さんは涙ぐんでいたけどどこか嬉しそうに私を見つめた









これで私もやっとお母さんに親孝行できるね









そう思いながら玲於の方をちらりと見ると
玲於は感情の読み取れない表情をしていた

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