今日から家族

雨の日 ページ31

ここ最近で一つ涼太について分かったことがある


それは涼太が雨の日が好きだということ


理由はわからないけど、涼太は晴れの日ですらお気に入りの長靴を履きたがるくらい雨の日が大好き


そして今日は涼太が大好きな雨の日


私はあまり好きじゃないけど、窓の外を見てはしゃぐ涼太を見てるとこっちまで嬉しくなるな



『涼太、今日はおそと雨降ってるね〜』

「うんっ、！ままあ、きょうははやくおうちでようね！」

『そうだね、いつもより早めに出よっか！』



そして雨の日はいつもより早く家を出て、すこし遠回りをする


涼太は長靴を履いて水たまりをぱしゃぱしゃするのがお気に入り。




『涼太、なんで雨の日が好きなの〜？』

「うんとね、あめのひはね、おはなさんたちがキラキラするんだよ！」



雨の日は雫が花について、花がいつもよりも輝いて見えるらしい

たしかに言われてみればそうかもしれない

いつも雨の日なんて厄介だなくらいにしか考えてなかったけど、涼太に言われて周りを見渡してみればいつもよりも輝く花たちが見える



「ままあっ、かえるさんだ！！」



そう言って私の顔の前にカエルを持ってくる涼太



『ぎゃっ、…りょ、りょうた、かえるさんおうち帰りたがってるからバイバイしてあげよう？』

「はあい、… 」



かえるさんまたねって言いながら木の下にカエルをちゃんと戻してあげて手を振ってる涼太を見て、涼太からたくさんの事を学ばせてもらってるなって思う


カエルはあんまり雨の日にしか遭遇できないから、それも雨の日が好きな理由の1つなんだって



「まま、雨の日好き？」

『うん！好きだよ、』

「りょたも〜！」


涼太と手を繋いでまた歩き出す私達


楽しそうにカッパを着て長靴を履いて水たまりを歩く涼太を見て、前よりも少し背が伸びたかな？なんて
涼太の成長に気づく


涼太が教えてくれたことは雨の日には花が綺麗に見えることとか、カエルさんに出会えることとか
日々を忙しなく生きる私達が気づかないことばっかり


私たちが毎日をバタバタ過ごしてるうちに、涼太はちゃんと少しづつ成長してるんだね


「まま、あめたのしいねっ！」

『ままね、涼太のおかげで前よりもーっと雨の日が楽しくなったな』

「ほんと〜、！？やった〜！！！」


涼太は隣でぴょんと飛び跳ねはしゃいでる

これからあと何回雨の日を涼太と歩けるかな

涼太のおかげで少し雨が好きになって、たまには雨の日も悪くないかなって思う雨が降る朝。

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